ストーカー? ページ30
.
「……なんで、」
「ごめんなさい。」
「……。」
「ごめんなさい。」
「……、」
「ごめんなさい。」
はぁ、と頭を抱える吉野。
そしてベッドに腰掛ける吉野の下でカーペットに土下座しながら謝り続ける私。
カオス。とても。
お兄さん、無言が一番怖いです。
「……俺だってこんなに綺麗に写真撮れないのに」
「あ、そっち?」
「黙って」
「ごめんなさい。」
はぁ、とまたため息をつく吉野。
しばらく考え込んで、吉野はベッドから降りて土下座する私を起き上がらせ、両肩を掴む。
「警察行こ」
「え、」
「ダメ。なんかあったらどうすんの」
「いや、だってうちには海青いるし、」
「海青だって刃物突きつけられたら秒殺だよ」
「……ほら、目の前に怖い怖い吉野もいるし」
「ちょっとどういう意味かな」
「アッ、ごめんなさい。」
だんだん足が痺れてくる私をよそに、クローゼットを開けて着替え始める吉野。
「ちょちょちょ。ちょっと待って。え、ほんとに?警察?今から?」
「当たり前でしょ。Aさんに何かあったら俺耐えられない」
「大丈夫だって、今のところ何も無いし、」
「は?何も無い?じゃあなにこれ。十分何かあるでしょ」
「ねぇ吉野、」
「そんなに言いたくないですか」
「……大事な時に余計な心配かけられないよ、」
「……。」
はぁ、と吉野はまたまたため息をついて、頭を抱えながらまた何かを考え始めた。
しばらくするとおもむろにスマホをいじり始める吉野。
「……リーダー2人と海青には言いますね」
「なんで海青?」
「Aさんが“うちには海青がいる”って言ったでしょ」
「あ、はい、言いました。ごめんなさい。」
そしてスマホをぽいっとベッドに放り投げたと思えば、私の目の前に正座して吉野は話し始めた。
「Aさん、3人以外には言ってない。俺からは言わない。言ったら〇すって言っておいた」
「あ、ありがとうございます、」
「ただし。条件付き、拒否権なし。……返事。」
「あ、はい、」
条件
⑴ 寮以外では絶対1人にならない。楽屋もダメ。何があっても。
⑵ 仕事の行き帰りは必ずメンバー2人以上連れて歩く。絶対絶対。
⑶ 買い物もコンビニも必ずメンバー連れてく。絶対絶対。
⑷ いつでも連絡つくように。絶対絶対。
.
1629人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「THERAMPAGE」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:L | 作成日時:2020年3月27日 21時