ストーカー？ ページ29
.
朝起きると、いつも通り私の隣に並んで寝ているこのこぶた。
くそっ、可愛い顔しやがって。
爆睡中の吉野を起こさないようにそっと部屋から抜け出すと、昨日と同じようにまた玄関にいる陸。
陸はこっちに気がついてふわっと笑った。
昨日のことは見なかったことにしてくれたみたい。
「Aさんおはよ」
「おはよ」
「あ、そうだ、Aさん宛にちょっと分厚めの手紙来てたよ」
「手紙？私誰かに住所教えたことないんだけど」
「そう、その事なんだけどさ。ココの住所書いてないんだよね」
寮の場所知ってないと無理だよね、と少し表情を曇らせる陸。
あー、なんか嫌な予感がする。
「ありがと、部屋で開けてみるね」
「あ、うん、……気をつけてね」
「ん、ありがと」
陸から封筒を受け取って、さっき降りてきたばかりの階段を登る。
手の震えを隠しきれていないのは見て見ぬふり。
多分陸は気がついてる。
でも何も言わないのが陸の優しさ。
自分の部屋に入る直前に、あのクソガキが爆睡中してることを思い出した。
どうしよう、これ見られたら多分くそめんどくさい。
……あ、吉野の部屋なら誰もいないんじゃね？
私天才、素晴らしい。(？)
部屋に誰もいないことを信じて部屋のドアを開ける。
もちろん誰もいない。よかった、私今日ツイてる。
適当にカーペットの上に座り、吉野の机からハサミを拝借。
手で開けたら封筒にカッターの刃とか入ってた時手切れちゃうからね。
いざ、開封。
……中に入っていたのは大量の私の写真。
アングルが完全に盗撮。木の影とか映ってるし。
そして完全オフの日。
時々吉野とかまこっちゃんとかと並んでる写真もあって、その写真は必ず私以外の顔をボールペンみたいなのでぐちゃぐちゃに塗りつぶされてる。
さすがに怖くなって、思わず手に持っていた写真をカーペットの上にばらまいた。
そして封筒の中に1枚の紙が入ってることに気がついた。
ずっと見てるよ
……確信。
男だ。
「……なにこれ。」
「っ、吉野、」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1629人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「THERAMPAGE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：L
| 作成日時：2020年3月27日 21時
