吉野のパーカー ページ12
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「ねーえー」
「うるっさいなぁもう」
「壱馬までAさんみたいなこと言わないで」
陸でーす。
珍しくほくちゃんがパジャマ(ジャージ)姿でリビングに降りてきたと思えば、何かを探している様子。
軽く1時間は探してるほくちゃん。
肝心な何を探しているのかは謎。
だってほくちゃん何探してるか言わないんだもん。
「えー、なんでないのー、」
「だから何探してるんですかって言ってるじゃないですか」
「樹そんな怒んなって」
「……いやだから何探して、……はぁ。」
分かるよいっちゃん。
めっちゃ呆れるよね。
ちなみに、ほくちゃんを黙らせるAさんは只今ソファで爆睡中。
早く起きてくれないかなぁ。
でもこの可愛い寝顔みたら起こしたくないんだよね。
「陸さん、そろそろAさん起こしたらどうですか」
「……壱馬、僕にはできないよ」
「ちょっと意味がわかんないです」
壱馬はため息をついて、Aさんを起こそうとソファの下に座った。
……そして壱馬は固まって、僕と目を合わせる。
言いたいことわかってくれたみたい。
「なーんで無くなっちゃうのー」
「うるっさいなぁホンマに」
「陣さんまでー。Aさんみたいなこと言わないでくださいよー」
「このテンションでグイグイこられたらAさんも殴りたくなるの分かるわ」
「俺可愛いから殴りたくはならないでしょ」
「「自分で言うな」」
ないなぁ、と何かを探し続けるほくちゃん。
その探し方がもうやる気ないよね。声もだけど。
クッションをパタパタめくってみたり、陣くんのポケットを覗いて見たり。
ツッコミどころ満載すぎて何からいえばいいのか分からないけど、陣くんのポケットにはないと思うよ、ほくちゃん。
「ないなー、どこいっちゃったのー」
ほくちゃんはそう言いながら、ソファで爆睡中のAさんの顔をチラリ。
「……あ。あった。」
「「は?」」
いやいや、君さっきクッションパタパタしてたよね。
めっちゃ近かったじゃん。
そして結局何探してたの。
「ほら、これ。Aさんが俺のパーカー抱きしめて寝てる」
可愛いを連呼しながらAさんを写真に収めるほくちゃん。
ほくちゃんはその写真をメンバーLINEにして勝手にモバにあげて、Aさんにめちゃくちゃ怒られて3日間口聞いて貰えなかったのは言うまでもない。
一件落着、……?
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作者名:L | 作成日時:2020年3月27日 21時