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「こいつらかい。あんたにちょっかい出してんのは」

丈が足首まであるスカートに、鮮やかな色の特攻服をはおっている。
永架高校の女番長、森川涼子。
その見た目はまさにスケバンだった。


「ちがうよ、涼ちゃん。この人たちは恩人なんだ。僕の事助けてくれたんだよ」

慌てて説明する悟は、かすかな笑みを見せる。

「え……そうなんですか。すみません」

涼子は素直に謝った。

「君が悟を守ってあげてるんだ。勇ましいね」

頭を下げる涼子に、柳は笑顔を振りまく。
察したAも笑顔で涼子に喋りかけた。

「貴方がいとこの涼子ちゃんか。…可愛い顔してるのに、中々度胸がありそうじゃん」

「いやいや、そんな…とにかく必死で」

「まぁ、大丈夫ですよ。これからは俺達がついてますから」

大嶽は無礼のない態度でそう言った。
悟は照れたように笑う。

「喧嘩だけは負けないからさ。任せてよ」

Aの落ち着いていて自信のある物言いに、この人なら任せられそうだと涼子はパッと笑顔になった。

「はい。安心しました。よろしくお願いします!」

「それじゃ、俺達はここで」

柳はそう言って、笑顔で悟の肩をポンとたたく。

「またね、悟くん。二人共気をつけて帰りな」

Aも優しくそう言うと、柳と大嶽に挟まれて歩き去った。

「はい、また明日!」

悟の元気な声を背中で聞きながら、北根壊の頭三人は静かに頬を上げて笑う。

彼らが悟に近づいたのには理由がある。
それは単なる正義感…ではなく、
自分達の都合よく、利用するためであった。

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ひんやりだんご(プロフ) - さ??♀?さん» ありがとうございます!これからも宜しくお願いします! (2022年3月27日 20時) (レス) id: c7dc0d49c1 (このIDを非表示/違反報告)
ひんやりだんご(プロフ) - 子猫さん» 応援ありがとうございます( ´ ▽ ` )検討させていただきますね! (2022年3月27日 20時) (レス) id: c7dc0d49c1 (このIDを非表示/違反報告)
さ??♀?(プロフ) - 最高です! (2021年5月23日 2時) (レス) id: 74c8bfbc36 (このIDを非表示/違反報告)
子猫 - 凄く面白くて一気に読んでしまいました!北根の小説全然ないから嬉しいです!ひんやりだんごさんさえ良ければ理子ちゃんと夢主が戦うのも凄く見てみたいです!ひんやりだんごさんさえ良ければ書いてください! (2021年2月1日 3時) (レス) id: 54bec7b90e (このIDを非表示/違反報告)
ひんやりだんご - Luaさん» 楽しんでいただけて良かったです!これからも応援宜しくお願いします! (2020年9月20日 15時) (レス) id: 6187d0d719 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひんやりだんご | 作成日時:2020年7月23日 17時

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