ねこといぬの恋の話 (ページ28)

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、

「なんとなく、会社戻ってきた時の

中野さんを見る目が優しくて」

わからない。

自分はいつもその目でしか見られていないから

他の人との違いを意識したことがない。

だが、もし本当にそうなんだとしたら
少し恥ずかしい。

「で、ちょっと
確かめてみよーって
中野さんを飲みに誘ってみたら

ちょっと動揺してましたし」

『え、そんな理由で私を誘ったの？』

「あ、ちゃんと飲みにもいきたかったんですよ」

なんだその取ってつけた感は。

松村くんの反応を見るために私を誘ったのだとしたら

なんという後輩だ、君は。

昨日、私より先に森本くんに質問していた彼は
動揺していたのだと森本くんは言う。

『んー…どうだろうね。
まあでも仕事に支障はないし』

既に好意を持たれていることは把握済みです

なんて言えるはずもなく

私がテキトーにはぐらかすと

「仕事に支障がなかったらいいんすか？」

彼は真剣な顔でそう尋ねてきた。