ねこといぬの恋の話 (ページ23)

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、

予定を詰め込んだおかげか

早めに会社に戻ることができて

ドアを開けると

「中野さんってさー」

事務員が私の噂をしているところに出くわしてしまった。

しかも、私の存在には気づいていない。

「今まで仕事にしか興味ない感じだったのに

松村さんには明らかじゃない？」

まあ、どうせそんな噂だと思った。

嫉妬ってやつだよね。

まあ実際、松村くんが好意を寄せてくれていて
贔屓目をしてくれているのは間違い無いけど

私が思いを寄せてアピールしている方だと思われているようだ。

「えー、でもさー
髙地さんにも愛想良いし

意外と男好きなんじゃ無い？」

「えー？髙地さん彼女いるんでしょ、最悪じゃん」

愛想のない私の事務員からの評判がイマイチなことは知っていたが

これは相当なもんだ。

その彼女紹介したの私なんですけど。

と言う思いを込めて、強めにドアを開き

『おつかれさまでーす』

ものすごい作り笑いを浮かべて
挨拶をしてやった。