𓆛 ページ43
.
そんなに重症じゃないか、オッパのことだから連絡が面倒だったかどっちかだろうな
「なんかね、そうみたい。だからこれからお見舞い行こうと思ってるんだけど、ナムジュニも行く?」
『いや〜体調悪いなら多数で行っても迷惑かもしれないから、止めておくよ』
「それもそっか」
『俺からも連絡するけど、Aからもお大事にって伝えといて』
薬局でレトルト粥やらゼリー、病院は行ってないって来てたから念のため風邪薬も買い込んで彼の家のインターホンを押す
1度通話状態になるも何も言われぬまま解錠された
そして出てきたのはボサボサ頭に首元のよれたスウェットを着たまっしろおばけ
顔色は…………うん、普段から青白いから判別がつきにくい
でも少し紅潮しているし、鼻もズビッと啜っている
「オッパ大丈夫!?安心してね、Aナースが来たから!」
『色気ねぇナースだな……。ま、入れば』
「おじゃましまあす」
別にいいから帰れって言われるかもと思ったけど、意外とすんなり入れてくれるんだ
みんなで集まる時は大抵ナムジュン邸だから、考えてみればちゃんと家の中まで上がるのは初めてかもしれない
「私の家より全然綺麗…………」
整理整頓されてるというより物が少ないと言った方が正しいか
家具や小物はモノトーンで統一されシックな印象で、いつもオッパから香る煙草のにおいが鼻をくすぐる
彼のイメージそのままだ
「あのぅ、体調崩したのってもしかして、もしかしなくても私たちがあの日雨の中連れ回したせいですよね……?」
『はいそうです』
「ぐぅぅ、面目ないです。責任持って看病しますので。あとさっきナムジュニと会ったけど、何も言われてないって言ってたよ。会う約束してたんでしょ?」
『急ぎの話あったから。それに今は熱っぽいけどさっきまで大したことなかった』
オッパのおでこに手を当てると確かに熱いし、そのせいか瞳も少し潤んでいるようにも見える
「何か食べたの?」
『んーん』
「薬も飲んでないでしょ」
『薬嫌い。それにあんま信じてない』
「そういう問題じゃない!買ってきたの用意するからベッドで寝てて!!」
背中を押しオッパが寝室に入ったことを確認してからお粥と生姜湯をレンジで温める
あの人ほっといたら何にも口にせずそのまま放置するじゃん
そんなんじゃ治りも遅くなっちゃうよ
「オッパ出来たよ。ダイニングで食べる?辛かったら寝室まで持って来ようか」
『もう布団から出れねぇ』
「はいはい」
.
534人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:綻 | 作者ホームページ:https://twitter.com/_hokorochan_
作成日時:2022年11月27日 21時