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手を引かれてソファーに横並びに座ると、テーブルの引き出しから私がいつも使っているハンドクリームを取り出して丁寧に塗り込んでくれる
デパコスの香り重視で買ったものと、ドラッグストアで買ったとてもしっとり保湿重視のものが並んでいるけど、迷わず後者を手にした
当たり前みたいに出したけど、ホソギ同様にナムジュニもうちのことなんでも知ってるんだな……
あまりにナチュラルだった
『女の子の手は大事にしなきゃだろ？』
「ありがと……ナムジュナ」
同級生3人で居る時は私たちが何かやらかしてホソギがすかさずフォローするという配置が常なのに、ホソギが居ない所ではとしっかりした一面を見せてくる彼
さっきみたく通常運転の時もあるけど
突然こうされると調子狂うんだよなぁ
途端に照れくさくなって、それを隠すように下唇を前に出して意味もなく視線をあちこちに泳がせた
2人の過保護な部分は周りから見たら同じかもしれないけど、似ているようで少しずつ違う
言葉で律して背中を押してくれるホソギオンマと、後ろからあたたかく見守ってくれるナムジュニアッパ、みたいな？
上手く言い表せないけどそんな感じで、どちらにせよ甘やかされてるのには変わらない
ええ、その自覚はあります
そんな2人に育てられてすくすく育ちました
彼は荷物を置いた後、スーツから着替えてくると一旦自分の家に戻って行った
戻ると言ってもここ一角はうちの社員寮で、ジョングギ以外はみんな入っているからそれぞれ行き来するのに数分もかからない
ショッピングモールまで歩いて行けて設備や待遇が良いので、住む人も多いのだ
ナムジュニは全く気にしていないけど一応社長令息だから、周りが気を使うかもと一般従業員とは少しだけ離れた管理職の人たちが集まる方に住んでいる
とはいえ管理職ともなると大方妻帯者のためそこに住む人はそう多くはないし、広いのでみんなで集まる時は大体彼の家
この前チーズタッカルビパーティーをした後は、部屋中に臭いが充満して数日取れなかったと嘆いていた
次はサムギョプサルパーティーしたいんだけど、もう嫌がるかな
まあ断られてもホットプレート持って押しかけるんだけどね
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作者名：綻
| 作者ホームページ：https://twitter.com/_hokorochan_
作成日時：2022年11月27日 21時
