44*好きです ページ44
夜8時ごろ、俺と先輩は近くの公園に向かった。
11月だからか、少しだけ肌寒い。
夜にぶらんこは、結構ぎしりと音が響いた。
「退院、おめでとう」
「ありがとうございます。来週からまた仕事頑張ります」
「・・・」
あの先輩がびっくりするほどにぎくしゃくしてる。
先輩が何か言おうと必死なので、こちらから話を振るのはちょっと違う。
なので先輩の言葉を、待つことにした。
数分経過したところで先輩がようやく口を開いた。
「・・・言わなきゃダメなの」
「・・・ああ。それの話ですか。別に無理して言わなくてもいいですよ。何となく分かってますよ。答えがどうであれ俺は諦めませんから」
「えっと」
「俺はそんな先輩が好きなんですから。わざわざこっちにまで来てもらってすみませんでした。駅まで送りましょうか」
俺はそんなクールできつくて、でも優しくて可愛い先輩が大好きだ。
先輩の気持ちは・・・多分俺と同じ気持ちではない。
それでもいい、いつか絶対に振り向かせるんだから。
勉強やスポーツよりも難解なこの恋愛も、絶対に攻略してみせる。
俺はそういう男だ。
先輩を駅まで送ろうと前に出て歩き出した。
しかし先輩は一歩もそこから動こうともせずに、そこに立ち止まっていた。
どうしたものかと思い俺は後ろを振り向き、先輩に声をかけようとした。
「せんぱ・・・」
歩こうとしない先輩の方へ歩こうとした時、だった。
急に全速力で走りだした先輩に俺はぎょっとした。
胸ぐらを思い切り掴まれ、俺は条件反射で目を瞑った。
口に柔らかい感触が当たった。
ふにっとしたマシュマロのような柔らかい感触。
それがキスだということに気づいたのは数秒経ってから。
俺は先輩にキスをされていた。
・・・は？
「せ、先輩っ」
「・・・分かったなんて嘘ばっかり。何も理解していないじゃない」
「え・・・ちょ・・・」
「何故貴方を何日も頑張って探そうと思えたのか、その答えは好きだからよ。そうだってこと、私を好きな貴方なら理解してると思ってたのに・・・残念ね。付き合わない方がいいかしら」
そうやって暗闇でも分かるぐらいに顔を赤らめ、べーと舌を出した。
その姿は可愛いと極み。
・・・って今はそれどころじゃないくらいに凄いことされたんだけど！？
好き！？付き合う！？キス！？何だこれわけわからん！
「やだっ！先輩っ好きです！付き合ってください！」
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ルリアイス(プロフ) - 夢魔さん» ありがとうございます！これからも頑張ります！ (2020年1月11日 0時) (
レス) id: 0fcb288ad8 (このIDを非表示/違反報告)
夢魔 - 凄く面白かったです！ これからも応援してます！！ (2020年1月10日 23時) (レス) id: f6b046dcfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルリ☆アイス | 作成日時：2019年10月28日 22時
