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41*僅かに見えた希望の光 ページ41

「俺も随分と悩まされた事ですし、夏樹もようやく解放出来たのかと思うと、良かったとも思えます。・・・まぁ、今回夏樹まで傷つけたのは許せませんがね」


「・・・貴方は妹ちゃん思いね」



当然だ、世界で一人だけの可愛い妹なのだから。


退院出来たら焼き肉でも奢るとするか。



「先輩のおかげで、俺の人生は救われました」


「大げさね。そんなこと」


「いいえ。貴方に出会ってから盲目なほどに恋をして、そして今回は貴方に助けられた。そのクマだって俺を探すために作ってしまったんですよね。申し訳ないです」



部長もそうだった。


俺を探すのに、必死な思いで頑張っていたんだ。


警察だって諦めかけてたみたいなのに。



「・・・何でこんなにも頑張ってるのって言われた。それに対して、普通社員がいなくなったらこんだけ必死にはなるのは当たり前だと思ってた。でも人間は好きな相手じゃなかったら頑張って探そうだなんて思えないんだって。見知らぬ人でもこんな何日もは無理だって、山田が言ってた」



山田先輩の持論は良くも悪くも納得する内容だ。


自分が好いてない社員を何日も探し続けるのは、極めて無理なことである。


勿論人の大事な命だ、救わないのはおかしくないかって意見もあるだろう。


だけどどうしてここまで頑張って探せるのか。



「きっとそれの回答が、貴方への返事なんだろうね」



そう言って笑う先輩の笑みは今まで一番、綺麗で見惚れてしまった。


この世の天使。


ああ、ツンデレな先輩のデレの部分を見れた嬉しさ。


呆然と先輩に見入っていると、先輩は「さて」と言って立ち上がった。



「また明日ね」


「えっ」


「何よ」


「え、今の流れは告白の返事を言う感じじゃないんですか!?」



この流れどう見ても、佐倉先輩の返事を聞くパターンだ。


なのに先輩は言わずに立ち去ろうとしている。


だから部長が出たんじゃないのか。



「もう分かってるんでしょ。一応貴方は病人なんだし、退院して私が覚えてたら言うわ」


「先輩の恥ずかしがり屋!退院したら第一声返事を聞きますからね!忘れたなんて言わせませんよ!」


「貴方が覚えてても、私が覚えてなかったら言わないわ」


「何でですか・・・」



断固しても先輩は言うつもりはないと宣言し、先輩はそのまま病室を出た。



「お兄ちゃん、振られたの?」


「俺もよく分からない・・・」



その様子を隣で聞いていた夏樹が不安そうに俺を見た。

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設定タグ:恋愛 , オフィス   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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ルリアイス(プロフ) - 夢魔さん» ありがとうございます!これからも頑張ります! (2020年1月11日 0時) (レス) id: 0fcb288ad8 (このIDを非表示/違反報告)
夢魔 - 凄く面白かったです! これからも応援してます!! (2020年1月10日 23時) (レス) id: f6b046dcfc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ルリ☆アイス | 作成日時:2019年10月28日 22時

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