4*君だけにモテたい ページ4
「先輩、夏休みですね」
「会社にあるわけないでしょう。生憎お盆休みは実家に帰るわ」
「1か月はあるんじゃないんですか」
「大学生じゃないのよ。社会人の自覚を持ちなさい」
「はーい!やったぁ怒られた」
「喜ぶことじゃないわよ」
蝉の声が聞こえるようになってきた頃。
うちの会社にもクールビズが導入され、早速半そでワイシャツで出社する人が増えていた。
半そでワイシャツとビジネススラックスで出社してきた佐倉先輩は相変わらず綺麗だ。
隣を歩いてる先輩の姿に胸が高鳴る。
俺が告白をしてからは佐倉先輩が出社する時間を把握し、偶然を装って一緒に会社に向かうという習慣が身についた。
佐倉先輩は嫌な顔こそはするものの、突き放すことはなかった。
そんなことあってか、もしかして脈ありでは?なんて考えたりもした。
「佐倉先輩もそろそろ俺に落ちればいいのに」
「こんな重い夫がいたらストレスで死にそうだわ」
「その時は俺も一緒に死 にます」
「冗談言うんじゃないよ、それが重いのよ」
おはようございます、と周りに軽く挨拶をし、互いに自分の席に着いた。
パソコンに電源をいれ、コーヒーを飲んでいると山田先輩が声をかけた。
「おはよう、赤坂君。お二人さん最近よく一緒ね」
「おはようございます、山田先輩。時間がよく重なるのでそれで」
なんて先輩と話したくて待ってたなんてことは言えないので伏せておいた。
結婚したら堂々と出来るんだがな。
まだ少し先の話だ。
にしても佐倉先輩と結婚か・・・エプロンして料理してる姿も可愛いだろうな。
いや俺も料理できるし、俺の料理を待ってくれるのもありだな。うん。
「そういえば新人女子たちの間で赤坂君が話題だったな」
俺が未来の先輩との暮らしを妄想しているとき、突然そんなことを言われた。
「かっこいいってお手洗い場で女子たちがはしゃいでたなぁ。ね、気になる子とかいないの?」
「・・・いませんね」
俺は佐倉先輩一筋だ。
かっこいいと思ってくれるのは佐倉先輩じゃなきゃ意味がない。
山田先輩は意味深に笑いながら俺の見た。
「へぇ」
「何ですか、その表情は」
「いや、どーみても誰かに恋してるようにしか見えなくて」
「山田先輩の勘が外れただけです」
「わぁ言ってくれるねぇ」
冗談交えて言ったのだが、バレてない・・・よな?
6人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ルリアイス(プロフ) - 夢魔さん» ありがとうございます!これからも頑張ります! (2020年1月11日 0時) (レス) id: 0fcb288ad8 (このIDを非表示/違反報告)
夢魔 - 凄く面白かったです! これからも応援してます!! (2020年1月10日 23時) (レス) id: f6b046dcfc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ルリ☆アイス | 作成日時:2019年10月28日 22時