22*隣の先輩 ページ22
「先輩はチャラい奴が好きなんですね・・・へぇ誠実な男よりも。へぇ」
「やめて、メンヘラみたいになってる」
チャラくても、やっぱり部長の方が給料いいからかな。
まだ俺は1年も経ってない新人社員だし、給料も少ない。
やっぱりお金がないと先輩に豪邸をプレゼントできないから、もっと頑張るしかないのか。
部長はイケメンだし、俺ももっと美容に気を使っていかないとだめなのかな。
チャラいのが佐倉先輩の好みなんだったら、俺も雰囲気変えてみようかな。
うーん。変えるべくところが多すぎる。
「おすすめの美容院ってありますか。あとエステも」
「かなり迷走してない？」
「チャラくなるんです」
「赤坂君さぁ」
山田先輩ははぁと大きなため息をつきながら、俺の頭を手で小突いた。
若干の痛みに頭を抱えながら、山田先輩を見た。
「恋愛になると視野が狭すぎるよ。大人なんだから嫉妬しないでなんてまでは言わないけど、もうちょっと佐倉ちゃんの気持ちを見なよ。それに佐倉ちゃんはどう見たって部長に惚れてないでしょう」
その言葉に俺ははっとなる。
俺は余裕がなかったのかもしれない。
佐倉先輩のことを考えないなんて、俺はまだまだ未熟な男だ。
「・・・すみません」
「恋に落ちるとどんな秀才でも盲目になるっていうしね。ちゃんと向き合っていきな」
「はい。ありがとうございます」
そう言えば山田先輩は先ほどの表情から一変、いつもの優しい顔に戻った。
山田先輩には感謝しきれない。
部長への苛立ちも大分収まったところで、時間は9時手前になっていた。
パソコンを入れながら、ふと疑問に思っていたことを、山田先輩に口にした。
「山田先輩は、どうして引かないんですか？」
「ん？」
「俺がこんなに取り乱しているのに。どうして・・・いや山田先輩は顔に出にくいので、内心は引いてるのかもしれませんが・・・」
「・・・知りたいの？」
何となく疑問を言っただけだ。
山田先輩が理由を言って、そのままお互いに仕事を始める流れのはずだった。
だけど先輩はこう言った。
「好きだから」
そして、
「なんて冗談。わぁ引っかかったなぁ」
「む、性格悪いですね・・・」
「あーあ先輩に性格悪いなんて言うんだ。ひどーい」
久々に変にドキドキしてしまった。
山田先輩が俺を好き？いやいやそんなことはあるはずない。
23*かっこつけ→←21*ホントあいつマジ性格悪い！嫌いだよ！
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ルリアイス(プロフ) - 夢魔さん» ありがとうございます！これからも頑張ります！ (2020年1月11日 0時) (
レス) id: 0fcb288ad8 (このIDを非表示/違反報告)
夢魔 - 凄く面白かったです！ これからも応援してます！！ (2020年1月10日 23時) (レス) id: f6b046dcfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルリ☆アイス | 作成日時：2019年10月28日 22時
