2*可愛いだけじゃ表現しきれない ページ2
俺の名前は赤坂柚希。
ついこないだ社会人になった新人社員で、絶賛研修期間中だ。
そんな俺も入社して早速気になる存在が出来た。
俺から見て4個上の同じ部署の佐倉美月先輩。
サラサラな黒髪をポニーテールに結った、少しつり上がったきつい目だがとても綺麗な女性だ。
いつも堂々としており、意見はしっかりと言うので一部の人からは遠ざけられている。
だけど俺は知っているんだ。
「またミスったの?」
「・・・すみません」
今計画中のプロジェクトで俺と同期の塩沢がミスを起こした。
新人ながらに頑張ってるはいるが、やっぱり緊張が勝ってミスを連続でしてしまっていた。
佐倉先輩に怒られるのいいな・・・って思ってしまったのは内緒にしておこう。
塩沢は完全に落ち込んでしまっているのでとてもじゃないけど言えない。
周りの人たちはこそこそと、「うわぁ佐倉先輩怖い」なんて言って重い空気になってしまった。
「起きてしまったのは仕方ないわ。それで?どこをミスをしたの?」
「え・・・あの、ここが分からなくて・・・」
「ああ、そこね。ここはこうしてね・・・」
厳しいながらに先輩はミスしたところをしっかりと後輩と一緒に改善してくれる。
過去のことを掘り起こしながら怒るようなそんなやり方はしない。
普段は厳しいけど、とても優しい先輩なんだ。
先輩のかっこいい姿を目に焼き付けながら、俺も仕事にとりかかった。
「今日の休憩時間、寄っていこうかな」
なんて独り言は誰にも拾われずに落ちていた。
*
休憩時間に入り、俺は急ぎ足でここから結構離れた自販機に向かった。
そこの自販機には大方予想通り、佐倉先輩がいた。
佐倉先輩は少し辺りを警戒しながら、イチゴミルクを買っていた。
コーヒーを少し無理した顔で飲んでいるけど、イチゴミルクを飲むときの顔は穏やかだ。
そう、このギャップさが。
「可愛いんだよな・・・」
「声に出てるわよ、赤坂」
「えっ俺の名前知ってたんですか!はぁ!好きです!」
「・・・」
何ということだ、声かけてくれた上に名前まで覚えてくれてたなんて。
幸せすぎる、命日か?
俺が遠目で見ていただけで、仕事じゃあまり一緒にいられないから。
だから名前を覚えてくれるなんてないと思っていたのに。
あ、でも同じ部署だった。
「二階建てのお家を買うのでそこに一緒に住みませんか」
「えっ重い」
6人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ルリアイス(プロフ) - 夢魔さん» ありがとうございます!これからも頑張ります! (2020年1月11日 0時) (レス) id: 0fcb288ad8 (このIDを非表示/違反報告)
夢魔 - 凄く面白かったです! これからも応援してます!! (2020年1月10日 23時) (レス) id: f6b046dcfc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ルリ☆アイス | 作成日時:2019年10月28日 22時