胃薬が二十八錠 ページ37
……まずい。
非常にまずいぞこの状況。
『(…呼吸を殺せ…音を立てるな…)』
必死に呼吸音を押し殺し、音だけで外の様子を伺う。
どうやら煉獄さんとしのぶさんは随分と話し込んでるらしい。
『(早く終われ終われ終われ…!)』
「…うむ!俺はそろそろ帰るとしよう!」
「あら、もう大丈夫なのですか?」
「あぁ!俺はこれから任務があるからな!では失礼した!」
扉が開き、戸が閉まる音がした。
『…っはぁ〜…ありがとうございますしのぶ、さ…』
布団から顔を出し、外の様子を見て絶句した。
「よもや!本当だったとはな!」
「でしょう?それに凄く触り心地もいいんですよ〜」
「きゃぁぁあ!Aちゃん可愛いわぁ!きゅんきゅんしちゃう!」
「おぉ?!こりゃまたド派手な事になったなぁ!」
な ん で だ よ 。
『え、ちょっと…しのぶさん?』
「…ごめんなさい、Aさんの恥ずかしがっている姿を天秤にかけたら…つい」
うわぁぁぁああしのぶさんの馬鹿ぁぁあああ?!
そうだね今思えばしのぶさんもそう言う集団の一人だったね!!
あとなんか増えてるよね!!!
「そ、そそそんな事よりも…触ってもいいかしら?!」
『えっ、あぁ…少しだけなら…』
「うふふ…じゃあお言葉に甘えて…!」
蜜璃さんの細い指が耳に触れる。
くすぐったい様な、でも悪い心地はしない。
『にゃぁ…』
「……あー…首輪でも着けるか」
そう言って宇髄さんが取り出したのは、赤色の首輪。
しかも鈴付きで完全な猫用である。
『いやです…ふぁぁ、蜜璃さんもっと…』
「はぅっ…!」
「A!これ以上俺達の心臓を虐めないでくれ!本当に止まってしまう!」
何を言ってらっしゃるんだこの人は…?
と言うか蜜璃さん撫でるのうますぎる…
「…おい胡蝶、これ長引かせる薬無いのか?」
「残念ながら…あぁでも、今から調合すれば…」
『それだけは勘弁してください…』
結局の所、次の日の朝には無くなっていた。
残念そうな宇髄達と、満足気な甘露寺が目撃されたとか。
『…二度と経験したく無いです』
と、Aが青い顔をして語ったのはまた別の話。
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ぷりっつ - 夢主ちゃんのスカートが膝より高い. ..ゲスメガネ呼んでこよう...チャキッ← (2021年5月9日 2時) (レス) id: 8a7ce8997d (このIDを非表示/違反報告)
たまご(プロフ) - 絵に一目惚れしました……!!面白い!すごい!!! (2019年11月25日 21時) (レス) id: 4b6840f9b9 (このIDを非表示/違反報告)
ガコ - この小説、すごく面白いですね! あと、33の時、すごくカゲロウテイズっていう歌に似ていますね! (2019年11月25日 0時) (レス) id: 8244513a71 (このIDを非表示/違反報告)
もやし好きのもやし(プロフ) - コメントありがとうございます!素晴らしい作品だなんて勿体無いお言葉です…!続編もよろしくお願いいたします!! (2019年10月5日 8時) (レス) id: 6a4e808260 (このIDを非表示/違反報告)
緩莓 - 本当に最高です!!!こんなに素晴らしい作品に出会えて光栄です(´;ω;`)更新お疲れ様です!続編も読みます!これからも頑張ってくださいね! (2019年10月5日 7時) (レス) id: 6806c82317 (このIDを非表示/違反報告)
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