検索窓
今日:2 hit、昨日:75 hit、合計:853,584 hit

緋色の終わり4 ページ32

そしてもうひとつ。

「Aさんってポアロに安室さんが潜入してくること知ってたよね?」

コナンの言葉に《ギクッ》と肩を揺らしてしまった。
その反応をコナンと安室が見逃すはずもなく。
コナンは「もしかして安室さんが来ることわかっててポアロで働いてたりして」とにやついた顔で言ってくる。

――お願いだから本人の前でそれ言うのやめてくれないかな?安室さんが何とも言い難い顔してるから。

「知ってたよ。でも、私がここで働き始めたことによって安室さんがここに来ない可能性もあったんだ。本の中には私はいないからね。
私がここで働き始めたのには理由があるんだよ。
1つは梓さんが困っていた事。
そして米花町の中でもポアロは安全地帯かつ上にはコナン君が住んでいる。
ポアロにいれば物語がどこまで進んでいるか把握できるし、何よりあなたたちを生で見ることができる。
事件に巻き込まれるのは嫌だけど、私はあなた達が好きだから。あなた達を傍で見ていたい」

決して安室に会いたいからと言う理由でポアロに来たわけじゃないとコナンに伝える。
「フーン」とどこか疑わし気にAを見るコナンに、何故か残念そうな安室。――なんだよ!
確かに安室に会えるかもと下心あったけど、コナン達を傍で見ていたいのも本心だ!

「なに」

「べっつにー?」

両手を組み頭に置いてごまかすコナン。「じゃぁ僕帰るから。またね」と椅子から降りてポアロから出ていった。

――爆弾を仕掛けるだけ仕掛けて帰りやがった。どうすんだよ。この空気。

何とも言えない気まずい空気になり、安室もAも口を開けない。
こういう時に限って客も来店してこないので完全に困ってしまった。

「Aさん」

ふいに安室がAを呼んだ。
振り向くと安室は苦笑してこちらを見ていた。

「正直、Aさんが別の世界の人だと信じきれないのが現状です。ですが、あなたにとってはそれが真実なんですよね?」

「そうですね」

「でしたら僕はそれを信じます。証拠はありませんけどね。・・・だからAさん。何かあれば必ず僕を頼ってくださいね」

「善処します」

「『善処』じゃなく『必ず』です」

「フフフ・・はいはい」

「・・・ちゃんとわかってますか?」

和やかな空気が戻ってきたところで来店のベルが鳴る。

「「いらっしゃいませ!」」

いつも通りのポアロが戻ってきた。

梓の奮闘1→←緋色の終わり3



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (614 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1513人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

9Sに殺されたいロリコン - 主ちゃんって…美少女なんですかね? (2019年9月7日 13時) (レス) id: 23809db5c5 (このIDを非表示/違反報告)
うさまろ(o^^o)(プロフ) - 続きがとても気になる作品です。更新頑張ってください! (2019年6月9日 11時) (レス) id: 710cd8956c (このIDを非表示/違反報告)
丸井(プロフ) - フラグ…フラグだ!!逃げて主人公ちゃん! (2019年6月6日 22時) (レス) id: 08724b31ed (このIDを非表示/違反報告)
- 梓ちゃん良かったね!続き楽しみにしてます! (2019年6月6日 14時) (レス) id: 3bc0209618 (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - とっても面白いです★続き楽しみにしてます。お身体に気を付けて更新頑張ってください! (2019年6月1日 4時) (レス) id: a6e5e5f5e4 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:紫暗 | 作成日時:2019年5月21日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。