やっとか3 ページ13
バックヤードに残された梓はAの言葉を頭の中で反芻していた。
『根拠はないですがーーまぁ大丈夫でしょう』
確かに根拠も何もなく、軽く大丈夫と言われただけだが、落ち着いたAの言葉になんだか本当に大丈夫なような気がした。
どうしたらいいのかわからない気持ちでいっぱいだったのがAの『大丈夫』が梓の心にじんわり浸透する。
Aの言う通り兄を信じて待ってみよう。
そう心に決めた梓は後でAにお礼を言おうと、まずは作ってくれたサンドイッチを食べる事にした。
休憩から帰ってきた梓は先程と打って変わって元気を取り戻したようだった。
「Aさん、さっきはありがとうございます!お陰でもう大丈夫です。Aさんの言う通り信じて待ってみようと思います!」
笑顔の戻った梓にAはホッとする。
やっぱ梓さんは漫画でもアニメでも笑ってる顔が一番だわ。
まだ若干ぎこちなさはあるものの明るく振る舞う梓にまぁ明日で元に戻ると心配しない。
確か梓兄が容疑者と疑われた次の日に毛利小五郎一家が食べに来る内容だった筈。
ってことは明日、とうとう小五郎一家とご対面か!
やっと原作の内容に触れる事が出来た。
そこで今がどのあたりの話まで進んでいるかなんとなく理解する。
本当に原作の内容が1〜10まで頭に入っていないことが悔やまれるが、人間そんな完璧に記憶することなんてできないはずだ。
この世界に至っては論外だが。
自分は本当に見守る・・いや、傍観することしかできないし、ポアロで働いている間はたまぁに事件にかかわることはあるだろうが、基本は見るどころか関わる事もない。
漫画を通して話の流れを見る方がコナンの世界は楽しいだろう。
よくあるトリップ小説は主人公に関わり毎度事件に巻き込まれるか、刑事役だったり、武術ができたりと何かしらスペックを持っているものが多いが、現実問題無理。
社会人設定でもコナン達と関わらせるため、時間の融通が利く小説家だったり警察関係者だったり。
自分もそんな高スペックが欲しかった!
高卒の自分には夢のまた夢だけど・・・
そしてポアロで仕事する様になってわかった事。
小五郎一家は意外とポアロに来ない!
まぁ毎度来てたら金銭面が辛いか。
そんな事を考えながら明日になるのが待ち遠しいと、刑事さんがいる為、先に梓さんを上がらせて1人閉店作業をするAだった。
844人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
和佳子(プロフ) - 楽しく読ませてもらっています。読み返して気づいたのですが、世良ちゃんは真澄じゃなくて真純だったような気が⋯⋯ (2023年3月18日 17時) (レス) @page36 id: 30e7fd0f4c (このIDを非表示/違反報告)
さち - 楽しいです。続きが気になりました。よろしくお願いします。 (2019年5月15日 23時) (レス) id: b262052ad2 (このIDを非表示/違反報告)
淋 - はじめまして、早速面白い作品に出会えて良かったと思ってますww滅茶苦茶面白いですww最後の不機嫌な降谷とか笑いましたね!風見さんも何だかんだかわいいし…とことん降谷さんの邪魔をしてほしいですね!その方が個人的に面白いのでww (2019年5月13日 1時) (レス) id: b523bf60c6 (このIDを非表示/違反報告)
パパイヤ(プロフ) - 読ませてもらいました!とっても面白かったです。私もつい最近描き始めたのでお互い頑張っていきましょう!次の投稿も楽しみです! (2019年5月2日 21時) (レス) id: 01af9cd7e8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:紫暗 | 作成日時:2019年5月2日 3時