【立海】またフラレたので髪切った (ページ22)

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『ゲホッゴホッ…』

「おい、大丈夫か」

　

仁王は私におしぼりを渡してきたので
それを受け取り、口元を押さえる

『ッあー…』

あー…死ぬかと思った
それになんでこいつ横にいるのさ

　

「ちょうどこの席が空いていてな。お前さんとお喋りしたいなと思ってな」

ジャッカルくんに続き、こいつも私の心を読めるのか
…ラーメン伸びそう
私は箸を持ち直す

　

『私とお喋り？本当は、うちのお母さんがウザくて逃げてきただけでしょ？それに私は貴方と話すことないので』

そう言いきり、ラーメンをすする
あぁ、うまいな。ここのラーメン

「ほぉ、嫌われとるのー」

「仁王、変なことしたんじゃないのか？」
　
　
「心当たりはないな」

と、厨房の奥からジャッカルくんが戻ってきたようで
仁王の相手をしてくれている
私は無心でラーメンを食べようと思ったのだが、ジャッカルくんから声をかけられた

「逢坂、うまいか？」

そんなこと聞かれたら無視なんてできない

『凄く、美味しいです』

「そっか、…あのさ、お前の母さん奢ってくれるって言ったじゃんか？」

『うん、言ってたね』

ジャッカルくんの声のトーンが下がる
うちのお母さん、なんかしたのか？と、お母さんのいるほうを見るも幸村達とイチャイチャ会話している
まぁ、それはそれで問題なのだが

「……ほぉ、ほんとじゃの」

仁王も‘ある一点’の方向を見ながら納得したかのように
ニヤニヤと笑っていた
　

その視線を辿る

　

ー

『なに？フードファイターなの？あの人』

ジャッカルくんに問うと苦笑いをしていた

そう、丸井だ
丸井の座っているテーブルにはラーメンを食べたであろう空の皿達が積み重ねられていた
ラーメンだけじゃない、餃子も食べてるな

「逢坂の母さんが奢ってくれるっていって火がついたらしいのぉ」

仁王はニヤニヤと笑いながらそう言う

『…いや、普通遠慮するだろ』

「ブン太も遠慮したんだけどよ。お前の母さんが食えって勝手に注文したらしいぜ」

『ホストクラブか？』

お母さんの顔をみると、とても幸せそうに
生き生きとしていたので色々と諦めることにした