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椿は、お茶会で、
光月庵のお菓子こそが父が自分に遺した愛だ、と語った。
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七桜さんと椿が協力して作ったそのお菓子は、
お茶会でも大好評。
今度は個人的に光月庵にお菓子を頼みたい、
と言ってくださる方もいて、私まで嬉しくなった。
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＿＿＿＿＿＿…でも、結局、大旦那様には食べて貰えなかった。
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一口も手をつけることなくお皿が下げられてしまい、
そのままお茶会は終了された。
あの時の椿の寂しそうな横顔を思い出すと、
胸がきゅ…っと痛くなる。
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そんなことを思っていると、
片付けをしていた手が止まっていたようで、
不意に、ぽん、と私の頭に手が乗った。
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椿｢あのジジイが食べるはずないだろ？
最初から分かってたことだ。｣
｢…でも…っ｣
椿｢さっさと片付けて帰るぞ。｣
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本当は自分が一番悔しいはずなのに、
彼は優しい顔で私を慰めてくれた。
堪らず抱きしめてしまいたくなったけど、
嫌がられるのは目に見えているので、
ギリギリのところでその衝動を抑えた。
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“今日は、お疲れ様でした”
椿｢ご依頼頂きありがとうございました。
…一つ食べ残されたお菓子のお代は結構ですので。｣
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片付けを終え、茶会の亭主さんに挨拶に行く。
残したお菓子のお代について椿がそう言うと、
不思議そうに首を傾げられた。
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“…？お菓子なら全て無くなりましたよ”
椿｢…でも、うちの大旦那が…、｣
“…ああ、あれは、包んで欲しいとお願いされたんです
持ち帰りたいから、と”
椿｢…え…、｣
｢…！｣
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思わぬ真実を知り、
2人きりの帰り道の途中でも、思わずにやけてしまう。
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｢………ふふ、｣
椿｢……なんでお前がそんなに嬉しそうなんだよ。｣
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椿はそんな私を見て呆れているけど、
大好きな君の努力が認められて、
嬉しくないわけがない。
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紙兎(プロフ) - みかさん» お久しぶりです！ありがとうございます！ (2020年11月4日 0時) (
レス) id: 4f2a78c08e (このIDを非表示/違反報告)
みか - 久しぶりです。めっちゃ楽しい作品になってますね。 (2020年10月31日 11時) (レス) id: de0ef4c44d (このIDを非表示/違反報告)
紙兎(プロフ) - ぱぴこさん» ぱぴこさん初めまして！とっても嬉しい感想をくださってありがとうございます！面白いと言って頂けると書いていて良かったと思えます！移行してもよろしくお願いいたします´`* (2020年10月31日 11時) (レス) id: 4f2a78c08e (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴこ - 紙兎さん、はじめまして！いつも見てます！本当に本当にこの作品が大好きで更新を日々待ちわびております笑 紙兎さんみたいな上手で面白い作品が作れるよう頑張っていきます！移行おめでとうございます！これからも応援してます！ (2020年10月29日 23時) (レス) id: f7a6ef29b4 (このIDを非表示/違反報告)
紙兎(プロフ) - カリリンさん» そう言っていただけて嬉しいです！更新頑張ります(^^) (2020年10月27日 23時) (レス) id: 4f2a78c08e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紙兎
| 作成日時：2020年9月24日 23時
