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椿「…お前はあまり笑ったりしないんだと思ってた。」
「…え、」
.
指導することが無くなり少し暇になったのか、
流し台の方に来て私に話しかけてきた椿。
…っていうかなんでちょっと不機嫌なの。
.
椿「俺は見たことないからな。」
「いや、それはないでしょ。
…っていうか、椿が言ったんだよ。
…あまり笑うな、って。」
椿「それは、…誰彼構わず愛想を振り向くなって意味だ。」
「なんで?愛想がいい方がいいでしょ?」
椿「…じゃあ俺にも愛想良くしてみろよ。」
「いいよ?」
.
ムキになって引き受けてしまったが、
私たちめちゃくちゃ恥ずかしいことやってない…?
いくら集中しているとはいえ、
数メートル先に七桜さんもいるのに…。
.
…いやいや、我に返ったら負けだ。
そう自分に言い聞かせ、
椿に向かってニコ、と笑いかけてみる。
…と。
.
.
椿「…っ…/」
「…ちょ…っ、痛っ…!」
椿「…やっぱりお前は笑うな。」
「…なんで…!?」
.
大きな手のひらで私の顔を隠すように押さえつけた椿。
えっ、ちょっとそれは酷くない…!?
べりっとその手をはがして睨みをきかせていると、
.
七桜「…あの…、出来ました。」
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若干気まずそうな顔をした七桜さんが、
おずおずと椿を呼んだので、
そこでこの会話は終了。
.
椿は何事も無かったかのように七桜さんの元に向かい、
涼しい顔で落とし文のチェックをしている。
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一方の私は、
…私の笑顔ってそんなに気持ち悪いのかしら。
と、まだそのことを考えていた。
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紙兎(プロフ) - みかさん» お久しぶりです!ありがとうございます! (2020年11月4日 0時) (レス) id: 4f2a78c08e (このIDを非表示/違反報告)
みか - 久しぶりです。めっちゃ楽しい作品になってますね。 (2020年10月31日 11時) (レス) id: de0ef4c44d (このIDを非表示/違反報告)
紙兎(プロフ) - ぱぴこさん» ぱぴこさん初めまして!とっても嬉しい感想をくださってありがとうございます!面白いと言って頂けると書いていて良かったと思えます!移行してもよろしくお願いいたします´`* (2020年10月31日 11時) (レス) id: 4f2a78c08e (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴこ - 紙兎さん、はじめまして!いつも見てます!本当に本当にこの作品が大好きで更新を日々待ちわびております笑 紙兎さんみたいな上手で面白い作品が作れるよう頑張っていきます!移行おめでとうございます!これからも応援してます! (2020年10月29日 23時) (レス) id: f7a6ef29b4 (このIDを非表示/違反報告)
紙兎(プロフ) - カリリンさん» そう言っていただけて嬉しいです!更新頑張ります(^^) (2020年10月27日 23時) (レス) id: 4f2a78c08e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紙兎 | 作成日時:2020年9月24日 23時