08 不機嫌な彼？ ページ9
乱暴に扉を開ける音が聞こえる。どうやら、竜胆さんより先に春くんが帰ってきたようだ。
「春くん、おかえり。」
「……ただいま。何で、泊めるなんて言ったんだよ。」
私の身勝手な行動に大層ご立腹の様子。今ここで私たちが喧嘩をしてしまったら私の作戦が全て無駄になる。そうなれば、元も子も無くなってしまう。
「ごめんね、春くん。合鍵、また作ってたみたいだし、今日はもう泊めた方が早いかなって。」
無難な言葉だけを羅列させ、曖昧に春くんの同情を誘い込む。こんな、嫌なやり方は好きじゃないのだけれど、蘭さんは頭がキレる。
頭が良い人には、先手を打って面倒な事から少しずつ回避していき、彼のペースに巻き込まれないような対策を取るしかない。
私が力なく言うと、春くんも不機嫌な表情を曇らせていき、大きく溜息をついた。
「怒って悪かった。つか、Aは悪くねぇ。おい、てめぇ今日、泊まったら明日は来んなよ。」
「三途、Aちゃんには激甘じゃん。裏切り者は死体〜！って言ってる奴とマジで同一人物かよ。」
「うるせぇ、お前から死体にするか！？」
話が逸れてややこしくなる前に竜胆さんも早く来て欲しいところだ。
蘭さんより、まともに話が出来そうな気がする。……気がする、だけだけど。
蘭さんと同じ反社だし、何より超短気な春くんの仲間だ。竜胆さんもスイッチが入ったらとてつもなくヤバそうな予感。
口が裂けても怖いから絶対に言えないけど。
キィ……とゆっくり扉の開く音。入る事に躊躇いを感じているような、控えめな態度で部屋の奥まで入ってきた。
「Aちゃん、お邪魔します。」
「急に呼び出してごめんなさい。蘭さんが泊まるなら竜胆さんも一緒に泊まった方がいいかなって。」
ここから、私の思惑通りに事を運べるか、が問題。
まずは春くんを上手いこと誘導しなくてはならない。その次に、蘭さん達をこの家に今夜は居て貰う。
「蘭さん達、折角来てくれたし宅配ピザでも取ります？私、今日の仕事で疲れちゃって元々料理するつもりなくて買い物して来てないんですよ。」
本当は帰宅してエコバックを取りに来たらすぐに買い物に行くつもりだったんだけど。
だいぶ予定を狂わされてしまったから、そのくらいの嘘はついたって良いだろう。
「でも明日の朝ごはんの買い物は行きたいんですよね。……春くん付き合ってくれる？」
お願いをして見れば、頷いてくれる彼に内心安堵する私であった。
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さきな(プロフ) - 漆Pさん» 長らくお待たせさせてしまい申し訳ありませんでした！（土下座）こちらの小説でもコメント頂けて嬉しいです✨あと少しで完結なので頑張ります♡ありがとうございます！ (2022年9月24日 15時) (
レス) id: 1d6ef99bbb (このIDを非表示/違反報告)
漆P(プロフ) - 更新再開おめでとうございます(*´ω｀*)ずっと待ってたかいがありました！無理せずに更新頑張ってください！応援してます！ (2022年9月24日 13時) (レス) @page47 id: 436ede0cdd (このIDを非表示/違反報告)
さきな(プロフ) - モックさん» コメントありがとうございます✨続き更新致しました！ぜひ読んで下さい！完結までもう少しのところまで来ておりますので、頑張ります！ありがとうございます！ (2022年9月24日 11時) (レス) id: 1d6ef99bbb (このIDを非表示/違反報告)
モック - めちゃくちゃいいところでとまってる〜！！ 続きちょ〜楽しみ☆ 春くんがイケメンすぎてにやにやがとまりませんwww 更新頑張ってください！応援してます♪ (2022年9月24日 10時) (レス) @page46 id: 17f5259717 (このIDを非表示/違反報告)
さきな(プロフ) - ちょんちょんさん» コメントありがとうございます✨更新していきますので、最後まで読んでくださったら幸いです！ (2022年9月24日 0時) (レス) id: 1d6ef99bbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さきな。
| 作成日時：2022年2月20日 0時
