許嫁を迎えに行きます【3】 (ページ8)

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風呂とか全部終わらせて

樹の家に向かう。

樹「早かったな」

「ごめん、早すぎた？」

樹「大丈夫、そこの部屋好きに使って」

「ありがとう」

とりあえずシートを広げて

ピースを取り出した。

まだ分けきれてない中途半端なピースがあるけど

それはとりあえずそれはおいといて

分けきれている端のピースだけでとりあえず作っていく。

完成系がわからないからめちゃくちゃ難しい

その挙げ句に端はほとんど白

まじ喧嘩売ってる？

てか、完成させるきある？

全然揃わないピースを一つずつ当てはめる。

樹「手伝う」

「これ2日は無理」

樹「しろっ！」

黙々と2人でピースを当てはめる作業

集中力につきる。

樹「北斗」

「なに？」

樹「彼女のこと大事？」

「大事だけど？なに？急に」

樹「怖くない？大事なもの作るの」

急に何を言い出すんだろう。

2人きりだから？

「大事なものつくろうとして作ったわけじゃないよ」

樹「…」

「気づいたら大事な人になってたから」

樹「抱え続けるのしんどくならない？」

「手放す方がもっとしんどい」

樹「そっか」

「無理に手放してもずっと心に生きてるから
　他人に嘘はつけても絶対自分に嘘はつけないよ」

樹「だよなー」

なんか触れて欲しくなさそうだから

深くは聞かないけど

それとも聞いてほしい？やつ？

大切なものを大事なものを

愛でるのは誰にでもできる。

彼女が医者になりたくないなら

彼女が許嫁なんかじゃなくて

自然と恋に落ちた相手との結婚を望むなら

俺は彼女のために手を放さなければならないと思う。

でも、俺にはそれがしんどくて。

それができなくて

こうして今も細い糸で繋がっているAを

一生懸命手繰り寄せてるんだ。

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