許嫁を迎えに行きます【2】 (ページ14)

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side 高地

樹「いいの？？」

『何がですか？』

樹「許嫁とか。いまどきさ」

『私は全然、北斗くんの方がたぶん…』

樹「あいつは君が好きだから大丈夫だよ」

『そっかな』

高地「許嫁かつアイドルなんて君も運悪いね(笑)」

『そんなことないですよ』

北斗が戻ってきてこちらをチラチラ

見ながらゲームをしている彼らの方へ向かう

それをチラッと横目で見て顔が緩んだAちゃん

もしかしてさ…

高地「北斗のこと好き？」

『好きじゃない。好きじゃ…ないです。』

彼女の好きじゃないはまるで自分に

いいきかせているような

力強いけど、どこか儚い"好きじゃない"だった。

なんで認めたくないのか

俺にはわからないけど、

許嫁って愛がない結婚ってイメージで

あんまりいい印象がなくて心配だったけど

お互い思い合ってる2人を目の当たりにして

なんの心配もなくなった。

樹「好きな奴でもいんの？？」

『恋がしたいんです。もう諦めてるけど』

樹「なんで？恋したことないの？」

『小さい時の恋はあるけど、感情が揺さぶられる恋はない』

樹「そんな恋できるのはほんと一握りだけ」

『そんなもんですか？』

基本、女の子を取っ替え引っ替えしてる樹は

未だ本気の恋なんてない推奨派だ

ま、そんな樹が本当に大切な子に出会うのは

まだもう少し後の話なんだけど、それは置いとこう。

樹の話↓↓
らいおんくんが本気の恋をした話

高地「そんなこともないけど」

樹「高地は経験あるもんな〜」

『彼女いらっしゃるんですか？』

高地「あー違う違う。実ってない」

樹「早く言えばいいものの」

『大切な恋なんですね。』

意味深な発言をしたのに

大切な恋なんですねって

伝える彼女はきっと人の気持ちがわかる

素敵な子だと思う。

北斗が惚れるのもわかるし

きっとAちゃんも北斗に好意をもってるから

ちゃんと気持ちが通じて欲しいと思うけど

俺たちには経験したことない、

何かつっかえたものがあるのだろう。

ただ俺たちは見守ることしかできないけど。

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