スキズちゃんの短編たち (ページ2)

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■雪が溶けたらヒョンジン 2 ページ2

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「これ以上Aヌナと離れたくない」

私から視線を逸らそうともしないヒョンジンの瞳は、今にも溢れ出しそうな涙でいっぱいだった。
繋がれた手は、わずかに震えていた。
泣き虫なヒョンジンは、今も変わらずそのままみたいだ。

ヒョンジンは一呼吸おいてから、また口を開いた。

「確かに俺はAヌナから見ると子供かもしれないけど、俺なりに頑張ってきたつもりなんだ」

明るめの栗色の髪も、透き通るように白い肌も、聞いてるだけで落ち着く声も、整った顔も、泣き虫なところも私はヒョンジンを構成するもの全てが好きだ。

「身長は伸びたけど、縮まらない年の差がもどかしくて」

ヒョンジンの気持ちも全て理解しているつもりだった。
でもごめんね、全部知らない振りをするの。

「ヒョンジナはもう、私がいなくても大丈夫だよ」

私がそう言い放つと、ついにヒョンジンの瞳から涙がこぼれ落ちた。

ただただ強くなってほしかった。
私がいなくても泣かないヒョンジンになってほしいんだ。
……ヒョンジンがいないとダメなのは私の方なのに。
もう、さよならの時間だ。

「待ってAヌナ、嫌だ、いやだ」

私が手を離そうとすると、それに抗うように、ヒョンジンの元へ引き寄せられた。
気付いた時にはヒョンジンの腕の中にいて、嗅ぎなれた安心する匂いで包まれていた。

ああ、せっかくの決心が揺らいでしまう。

「春が来ても、俺の隣にいて」

揺らぐ心と真っ直ぐな君の視線、
(これ以上私の心を掻き乱さないで)

きっといつまでも忘れることなんてできない。

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