ほくほく短編集。3 (ページ11)

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北斗が体調悪いみたい。ふわふわ喋って、俺の返事も聞かずに寝ちゃった。

そんな北斗の、くるくるの前髪を撫でてやる。

「……ん、、」

なんかさっきから魘されてるみたいで。

ついには俺の服を握ってきた。

可愛いからいいんだけど。

……いや、寧ろウェルカムだけど。

でも、辛い思いしてないか心配。

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「……きょもと」

『…はい！！』

思わず反射的に返事してしまった。何故か敬語で。

……しかも寝言じゃん。

『んふ、』

寝言で名前を呼んでもらえて、思わず鼻の下が伸びる。
皆にも静かに楽屋に入れ、ってメールしたから大丈夫だよね。

︎︎

暫く幸せな時間を過ごしてたら、皆がゾロゾロやってきた。

赤『……ほくちゃん寝てるの？！』

青『ハッ笑、可愛い、』

緑『静かにしろって、こういうことね……』

黄『え、北斗寝てんの？体調悪いの？』

小声で口々に話す4人。

樹の顔が、数分前の俺とおんなじ顔になってる。

『体調悪いみたいだよ〜…』

黄『やっぱり、……ゲネ出来んの？』

『うーん…でも、やるしかなくない？』

緑『北斗もやるって言うだろうね……』

俺らが真剣に話してる中、樹とジェシーはひたすら写真を撮ってた。

うーんと3人で唸ってるとふわふわな声がまた聞こえてくる。

「……わっ、きょーもと！」

「皆きてんじゃんかぁ……」

うん。ふわふわしてる。

赤『何か、可愛さ増し増しだねぇ…ほくちゃん』

「ほくちゃんって呼ぶなぁ、」

赤『ごめんごめん笑』

黄『北斗、ゲネ出来る？』

「やるよ…！」

青『えーでも、北斗倒れたら元も子もないよ』

「倒れないもん。もう元気だし」

黄『どこがだよ！』

「……て、こーちやめろよぉ、」

こーちが軽く頭を叩いた。
こーちと北斗は、何でも分かりあってる。

ちょっと羨ましいなんて。

︎
︎︎

「とにかく、俺はするからね」

「ファンの皆のために、頑張らないと。」

『……言うと思った』

『無理はしないでね』

「わーってるよ！」

切れ味の悪い返事をした北斗は、昔の頃とは違って見えた。

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