Another Strawberry−2− 【stpr】【マフィア】

… ページ11

−No side−

○明晩・深夜―――――○

コンコンッ

アジトの扉が叩かれた
門番の女性の1人が警戒しながら扉をゆっくりと開く

？「すみませーん。宅配便でーす」

門番1「なんだ…。どうぞ」

門番2「待て！」

宅配業者が敷地へ一歩踏み入れる寸前、もう1人の門番がそれを止めた

門番2「我々は宅配便など頼んでいない！！何者だ！！」

門番は臨戦態勢を取る
すると宅配業者は、少し唇を噛み懐から素早く何かを取り出して、地面に叩きつけた


その瞬間




ボフンッ！！



門番1「きゃっ！」

門番2「何！？」

いきなり目の前が真っ白になった

門番1「煙幕…！？ッ大変！！侵入者よ！！侵入者が･････」

門番の女性は、そこまで言いかけて倒れ込んだ
強烈な眠気に襲われ、体中の力が抜けていくようだった

こうして、入口はわずか10秒程で制圧されてしまった
あの宅配業者は煙に巻いて屋敷の裏口方面へと向かっていた
ふお、入口の扉の方を見やり、「ちょっと強引すぎたかな…。ごめんね…」と呟いて、業者の変装(・・)を脱ぎ捨て耳元のイヤホンマイクを軽く押した

？「なーくん。入口はとりあえず開けられたよ。にしてもすごいね！あの催眠ガス入り煙幕ボール、どうぞ」

な『そうだよねぇ〜。あ、入口ありがと、どうぞ〜』

？「うん」

帽子をポイと投げ捨てると、下から鮮やかな紅い色の髪が姿を現した


そう

この宅配業者は、莉犬の変装だったのだ

莉犬はその紅髪をわしゃわしゃと掻き、そっと屋敷の壁に盗聴器を貼り付けて内部の音を聞いた




構成員「やばいわ！！侵入者だって！！」

構成員「は、早く戦える態勢に…！！」

構成員「入口の扉の方よ！！」

屋敷から次々と出てくる構成員が、入口へどんどん向かっていく
桜もその騒ぎを聞きつけて、ひよりと共に様子を見に来ていた

桜「嘘でしょ…！？」

見た事の無い光景にしばしの間呆然として、やがて震える声でひよりに話しかけた

桜「ひよりちゃん…！急いで私達も加戦に･････」


そこで桜は詰まった



桜「…ひよりちゃん――――？」

つい十数秒前まで一緒だったひよりは、忽然と消えていた




撫「…一体、何が起こっているの･････！？」

撫子はまだこの状況を把握しきれていなかった
ただ、いざという時の為に、と鞘に収められた愛刀・青冥丸(せいめいまる)を手にした


その時


ジ「大和撫子ボス・筒掛(つつかけ) 撫子、

俺はあんたに








決闘を申し込む」

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