検索窓
今日:2 hit、昨日:6 hit、合計:62,241 hit

第19話 ページ24

私は、か細い声で言葉を発した。



「安心......しろ。秘書は...死んではいない
麻酔で...眠って...いる..だけだ
多少出血......しているがな」



視界が、白くなり意識が遠くなってくる。



意識を失う直前に、福沢は絞めていた



腕の力を、弱め私の上から退いた。



「ゴホッ...ヴ...ゲホッゴホッゴホッ...」



空気が、一気に肺の中に入ってきて



咳き込む。



「貴様は、殺し屋だろう何故麻酔など......」



福沢は、私を見下ろし云った。



「何故......か、私は生憎だが
もう殺しはしないんだ。それにあんたも、
秘書を殺されたら困るだろう」



私が、そう云うと福沢は黙ったまま



私を見つめていた。



「そいつが殺し屋さん?」



隣の部屋から声がして、福沢は振り返った。



「救急車を呼べ。それから市警も」



「判ったけどさぁ、それよりねぇ
僕働き口なくなっちゃったんだけど
おじさん何とかしてくれない?」



自由奔放な乱歩は、そう云った。



福沢は、そんな乱歩に目眩を覚えつつ


歩き出した。



「ついてこい」



「......?」



「市警に捕まりたくはないだろう?」



「判った」



部屋の隅に飛ばされていた銃を拾い



肩掛けホルスターにしまい上着を羽織った。



真逆、福沢が私を市警に



突き出さないとは思わなかったが



素直について行く。



「ねえ、置いていかないでよ。先刻
ご飯奢るって云ったよね。云いましたよね?
それは好きなところで好きなものを
注文して好きなだけ食べて善いって
意味だよね? ご飯食べながら
僕の置かれた状況と解決策について
じっくりと聞いてくれるって意味だよね?
ねえ」



「お前ー」



乱歩は、邪気の全くない、



輝くばかりの笑顔で、こう云った。



「僕は江戸川乱歩。覚えておいてね!」

第20話→←第18話


ラッキーアイテム

麦わら帽子


目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (36 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
91人がお気に入り
設定タグ:文豪ストレイドッグス , 織田作之助 , 成り代わり   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

読書日和(プロフ) - あい様、教えて下さりありがとうございます( > _ < )修正しておきました (2019年3月9日 7時) (レス) id: 074c26cf03 (このIDを非表示/違反報告)
あい - あの、19話と20話が同じなんですけど。 (2019年3月8日 21時) (レス) id: ba4bf15776 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:読書日和 | 作成日時:2019年2月19日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。