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第15話 ページ19

おそらく少年は政府の就労活動支援を


受けているのだろう。


大戦後の今、失業者と未成年犯罪が


この大都市で喫緊の課題になっている。


就労の意図がある未成年に限り、


その活動を支援する政府の


失業者対策が存在するのだ。


少年はそれを受けているのだろう。


つまり少年は金銭面情報面での支援を


受ける代わり、就労面接を確かに


行ったという書面を社長から



発行して貰って、政府に



提出しなければならないのだ。



「この中に多分あるんじゃないかなと
思うんだけど......」



少年は室内を見回した。



「面倒だなあ。ねえ秘書さん、この
無意味な書類、ぺっぺと退けちゃっていい?」



「駄目です」



秘書は断言した。



「この並べ方そのものが、犯人の狙いを
看破するための重要な方法論(メソドロジィ)なのです。
これは私の他には社内の誰も......」



「へえ〜」



少年は聞いていなかった。



いかにも得心顔で頷きながら、



足元の書類をさっさと摘み上げ始めた。



途中からそれも面倒になり、



指で適当に書類を散らして道を作っていく。



「あああ!」



秘書の悲痛な叫び声をあげた。



「や、やめなさい君! それ以上、それ以上
一枚だって触れることはまかりなりません!
そこまで並べるのに5時間掛かったのですよ!」



「いやだって、僕も僕の書類探したいし」



「ならば黙って階下で待っていなさい!
後でちゃんと探してあげますから」



「またそうやって見え透いた嘘をつく」



少年は何故かそう断言した。



「いいよ、自分で見つけるから。
どうせ一瞬だもの」



一瞬? 部屋には百枚近い書面が



整然と並べられている



とても一度も全部は確認できない。



この中から目当てに一枚を、どうやって



一瞬で発見するというのだろうか。

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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 織田作之助 , 成り代わり   
作品ジャンル:アニメ
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読書日和(プロフ) - あい様、教えて下さりありがとうございます( > _ < )修正しておきました (2019年3月9日 7時) (レス) id: 074c26cf03 (このIDを非表示/違反報告)
あい - あの、19話と20話が同じなんですけど。 (2019年3月8日 21時) (レス) id: ba4bf15776 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:読書日和 | 作成日時:2019年2月19日 21時

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