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「私が元の世界に帰る日が来たら、貴方がその別れを歌ってくれますか」

「それは、中々責任重大ですね」

Aは医務室で休養している間、医務室に足繁く通うエーミールに短歌のルールや有名な歌を教えた。


2週間もすれば、すぐに退院できるようになった。いつものように裏庭で日本の景色を眺め、鯉に餌をやり、動物を戯れ、日常に戻っていく。

「A」

「ロボロさん。どうしました?」

「今夜、デートせん?俺と」

ロボロは顔を赤くして、勇気を振り絞り言った。ピコを撫でる手を止めたAは大きく頷く。

「はい!……ちゃんとエスコートしてくださいね?」

「任せろ」

ロボロはすぐに仕事に戻った。彼の姿が見えなくなった頃、Aはその場にしゃがみ込む。心配そうに彼女を囲う動物達。

「で、デートって何したらいいの……?」

「プギ!」

励ますようにトンがAの背中を叩いた。ありがとう、と彼を撫でたあと、彼女は自室へ向かってデートの支度を始めた。


ある程度準備をしたところで、Aはある事に気づく。外出をするならば、グルッペンに掛け合わなければダメじゃないか、と。



「グルッペンさん」

「ん、入れ」

総統室に入ると、グルッペンとトントンの驚く顔が目に飛び込んできた。

「随分とめかし込んで……どうしたん?」

「実は今夜、ロボロさんとデートの予定でして。外出の許可を頂きたく」

「デート?」

トントンが苛立った声で言う。段々と彼女が周りに奪われていく感覚に焦燥感を覚えていた彼は、もう限界が近かった。彼女を助けたのは紛れもなくトントン自身でAの第1発見者がトントンじゃなかったら今頃Aは無事じゃなかった可能性の方が高い。

彼女が想う男は俺だけでええのに。そんな思いが日に日に募っていく。

「やっぱりダメ、ですか。女が外を歩くなんて、良くないですよね……」

だが、彼女の落ち込む顔を見てしまえば、否定する事なんかできない。それはグルッペンも同じだ。できることなら、彼女を出歩かせたくないし、自分以外の男とデートするなんて許可したくもない。しかしここまでオシャレをしてた楽しみにしている彼女の気持ちは蔑ろにできない。

「分かった。外出は許可しよう。だが、その女性らしい服装は目立つぞ」

「あっ、忘れてました……」

「いや、そのままでいい。俺を誰だと思っている。1部区画を貸切にすることくらい余裕だ」

「グルさん……」

「ありがとうございます!」

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かす(プロフ) - かこつです。楽しませていただきました。ありがとうございます (7月17日 19時) (レス) @page48 id: b1482de086 (このIDを非表示/違反報告)
らあゆ(プロフ) - ありがとう……ありがとう……ほんまにありがとう…一気読み最高でした( ;∀;)夢主可愛すぎるだろ…ありがとう(*´;ェ;`*) (2023年3月21日 8時) (レス) @page47 id: 61afbf51de (このIDを非表示/違反報告)
♪si?do☆(プロフ) - とっても面白かったです!また面白い作品書いてください! (2023年1月6日 16時) (レス) id: 89c26ef77d (このIDを非表示/違反報告)
ヒル(プロフ) - 新しい番外編...?好き。夢主の平和ボケっぽいのがずっと抜けない感じ好き。もう、語彙力喪失。ありがとうございますほんとに番外編感謝します...! (2022年12月21日 23時) (レス) @page43 id: e3196d1b3b (このIDを非表示/違反報告)
小雪 - 完結おめでとうございます!番外編が好きすぎる…。いつも更新されるたびにわくわくして読ませていただいておりました。本当に素敵な作品をありがとうございました! (2022年12月16日 0時) (レス) @page41 id: 472937dc0d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひよこの子 | 作者ホームページ:   
作成日時:2022年11月23日 16時

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