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「っ、ふ」
トントンの着物の襟をキュッと掴んで、必死にトントンの唇に合わせる。ハムハムと優しく唇を噛まれて、ペロペロと下唇を舐められる。その行動に童貞らしさは無くて、更にAの顔が赤くなる。
「バリ可愛ええ。そんな蕩けた顔して。そんなに良かったん？まだ欲しそうやけど」
コクっと小さく頷くと、トントンがええ子やね。と頭を撫でる。肩で息をし、上目遣いの目には、うっすらと涙が溜まっている。唆らない訳が無い。理性に歯止めを聞かせながら、Aの耳を噛む。
「ひぅ」
いきなりのことで、肩を跳ねさせる。薄ら笑いを浮かべて、獲物を見つけたと言わんばかりに舌なめずりをする。
「あーあ。こんな顔ゾム達に見せられへんわ」
ヒョイっとAを抱き抱えたトントンは、敷かれた布団の上にAを下ろす。キラッと眼鏡越しに見える目はまさに獣のそれだ。
「好きやで、A」
チュッと優しく口にキスをされる感覚があってそれと同時に、ゾム達が夕食を持ってきた。2人の雰囲気を邪魔しないように、円卓の上に食事を置いて、そそくさと部屋を出る。
「じゃあ、ちょっと始末してくる」
部屋にある刀を持って出ていこうとするトントン。
「トントンさん」
「ん？……あ、ごめん」
Aが何を言おうとしているのか分かったのだろう。苦しそうな顔でトントンはAに背を向けて部屋を出た。
「あっ、ロボロ!!チーノ!!ええとこに。Aを頼んだ。部屋に居るから」
そんな会話が襖越しに聞こえてきた。
『行かないで』そんな言葉は、皆まで言うことが出来なかった。
トントンがAの言葉を聞かなかったのは、きっと行かないで、なんて言うお願いを聞いてしまったら、留めていた理性が切れて、Aを滅茶苦茶にしてしまいそうだから。叔父貴達を冥土に送れなくなるから。
「トントンさん……」
中途半端に放置されたAは、寂しげな顔をして、トントンが残していった羽織りを手に取った。少し変 態じみた行動かもしれないが、今はトントンが側に欲しかった。例え、匂いであっても。布団に入って、トントンの羽織りに顔を埋めると、不思議と安心した。
「好き……」
もういっそ、本当に妻になってしまおうか。会社なんてやめて、トントンに一生愛されようか。
Aは、まだ知らなかった。叔父貴の毒牙を取り除いたところで、身に降りかかるものは変わらないと。いや、それ以上に厄介で面倒な相手がいることを。
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ゆず塩(プロフ) - 何回も読み直して部屋が水没するくらい泣きました…最高です！！ (3月29日 1時) (
レス) @page50 id: 8ae73bc925 (このIDを非表示/違反報告)
けんまおし1016(プロフ) - もうこの作品も最高でした!!!!最後のrbrさんとの話がまたよかったです!!大好きです!!←突然の告白 (2022年12月11日 14時) (レス) @page50 id: 92260459e9 (このIDを非表示/違反報告)
ねう。(プロフ) - ボロッボロに泣きました。とても素敵なお話でした。今までたくさんのお話を読んできましたが、こんなに感動して心を動かされてドキドキしたものはこれが初めてでした。何度も読み返させてもらいます！素敵なお話をありがとうございました！！ (2022年9月5日 18時) (レス) @page50 id: dee5bda7f0 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぺに(プロフ) - ｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡←感動しました。ひよこさん大好き。 (2022年6月17日 23時) (レス) @page50 id: bcadc0cb73 (このIDを非表示/違反報告)
防弾チョッキ（初心者） - なんちゅう殺傷能力の高いお話を書くんや・・・最高ですありがとうございました。自分的に最後のrbrさんとの会話がウヘヘヘヘ←ｷｯﾓ (2022年5月2日 23時) (レス) @page50 id: 16da95312d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこの子
| 作者ホームページ：
作成日時：2021年10月10日 17時
