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「監視言うても、カメラ付けるんとちゃうで。ただ、ちょくちょく見に来るだけや」
「いや、警察には言いませんから、自由にさせて下さい」
本心を告げると、トントンがギロりと睨む。ドン、と廊下に押し倒されて、顔面の横に日本刀が刺さる。廊下が……と心配するA。
「ひっ」
「分かってないようやな。口だけで安心できる世界に俺らは居らん。部屋間違えたのは、そっちやろ？」
「でも」
「悪いことはせえへん。女傷つけるのは、納得いかんし」
(さっき殺そうとしてきたじゃん)
トントンは、日本刀に指を置き、スっと自身の指を切る。血の垂れてきた指を、Aの口内に捩じ込む。抵抗する手は、簡単に押さえ込まれた。
「お前に悪いことはせえへん。金も必要なら渡す。まぁ、口止め料やと思ってくれ。それと……俺もそろそろ結婚相手見つけろ言われてんねん。よろしくな」
「……はい？」
部屋を間違えただけなのに。大事になってしまった。
「関わらないで頂ければ、十分です」
「そうか、じゃあ、今日1日監視するな。通報されちゃ困るし」
まるで自分の家かのように、鍵を閉めて、Aを連れてリビングへ行く。おもんない部屋やな……と呟く彼を座らせて、Aはへそくりを漁る。そして、土下座しながらトントンに懇願した。
「帰ってください」
「安心せえ。せや、用心棒ができたと思えば楽ちゃう？」
もう、会話は通じないと分かり、Aは諦めた。へそくりをしまって、トントンを居ないものとして扱う。風呂を沸かして、部屋のソファに腰掛ける。
「せや、お前名前は？」
「AAです。警察には絶対言いませんし、言ったら殺してくれて構わないので、もう放っといて欲しいです。私も、社畜の身なので、忙しいんです」
「……なんか、もうええわ」
「はい？あ、これ良かったらどうぞ」
先程買った冷めたお汁粉をトントンに押し付け、キッチンの冷蔵庫から、栄養ドリンクを取って飲む。
「お汁粉て。いや、俺お前のこと気に入ってん。もう、面倒やし結婚相手もAに決めた。せやから、警察とかしょーみどうでもええなって」
「私の結婚相手くらい、自分で選ばせて下さいよ!!」
空き瓶をゴミ箱に捨てる。トントンは楽しそうに腹を抱えて笑っている。何が面白いんだかよく分からないが、キッチンを出て、トントンの正面に座る。
「お前、夜食は？」
「今食べてたじゃないですか」
「栄養ドリンクをな。よし、未来の旦那さんが晩飯作ったるわ」
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ゆず塩(プロフ) - 何回も読み直して部屋が水没するくらい泣きました…最高です！！ (3月29日 1時) (
レス) @page50 id: 8ae73bc925 (このIDを非表示/違反報告)
けんまおし1016(プロフ) - もうこの作品も最高でした!!!!最後のrbrさんとの話がまたよかったです!!大好きです!!←突然の告白 (2022年12月11日 14時) (レス) @page50 id: 92260459e9 (このIDを非表示/違反報告)
ねう。(プロフ) - ボロッボロに泣きました。とても素敵なお話でした。今までたくさんのお話を読んできましたが、こんなに感動して心を動かされてドキドキしたものはこれが初めてでした。何度も読み返させてもらいます！素敵なお話をありがとうございました！！ (2022年9月5日 18時) (レス) @page50 id: dee5bda7f0 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぺに(プロフ) - ｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡←感動しました。ひよこさん大好き。 (2022年6月17日 23時) (レス) @page50 id: bcadc0cb73 (このIDを非表示/違反報告)
防弾チョッキ（初心者） - なんちゅう殺傷能力の高いお話を書くんや・・・最高ですありがとうございました。自分的に最後のrbrさんとの会話がウヘヘヘヘ←ｷｯﾓ (2022年5月2日 23時) (レス) @page50 id: 16da95312d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこの子
| 作者ホームページ：
作成日時：2021年10月10日 17時
