【d!】悪い女の堕とし方

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薔薇の花に見える彼女は実は鈴蘭で。刺々しい雰囲気は作られたもの。本性は丸くて可愛らしいが、男を惑わす『毒』がある。その毒に冒された者はもう二度と他の女には手を出せない。


彼女は愛に飢えていた。私利私欲を満たす愛ではなく、彼女の事を心の底から思って伝える愛こそ響く。だから、彼女の仮面を剥がしたい。その一心で囁いた言葉など、到底響くはずなかったのだ。


世界一の美貌を持つ世界一のスパイ。100の顔を使い分けて、巧みに男を操る。本気を出せば、3秒で男など屈服させられる。他者に対しては女王蜂だが、愛したものには本性をさらけ出して接してくれる。


男を見下し、自分の利益しか考えないクズ。利用価値で人を測るクズ。


そんな悪い女の堕とし方。


1、心からの愛を囁くこと。


2、彼女の心を開くこと。


3、信用させること。


こんなにも簡単なのだ。


それなのに、彼女を暴きたいから偽の愛を囁いていたオトコ達。中々心を開けずに愛情を受け取れなかった女。簡単なことだからこそ見落としていた。根本的なところ。



今日ベッドの上で踊り狂う彼女は花を散らす。一輪花だった彼女はもう居ない。立派な女に成長した。




「莫迦なオトコ達。莫迦な私」




fin

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