【d!】泣きながら飯食うなや【zm】

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手作りオムライス……かぁ。鬱さんからのアドバイスは、ゾム君の心をもっと掴むために、手作りオムライスに愛の籠ったメッセージを書いたらええって。

恥ずかしいなぁ。でも、ちょっとだけ結果が気になる。

食べられちゃうかな。馬鹿馬鹿馬鹿。何言ってんの。

ダメだぁ、ゾム君と一緒に居ると、思考がドンドンと激しくなっていく。……作るか。とりあえず。

ゾム君が休みだと言う日に、私はオムライスを作った。良い出来だと思う。

さてと。何を書こうか。

ここは定番の好きにハートを書くとか。

単純かなぁ。

んー、よし、助けて恋愛マスター！

何やってんだか。

鬱さんに助けを求めると、すぐに既読が着いた。恐ろしい。

『ここはさ、大胆にEat meって書いてまえ』

『恥ずかしいです』

『Aちゃん。大事なのは気持ちやで』

『そんな抽象的な。助けて下さいよ恋愛マスター。ゾム君が来ちゃいます』

『俺の言葉で言うのもアレやしなぁ。頑張れ。応援しとる♡』

最後のハートが気になるが、放っておこう。とりあえず鬱さんが当てにならないことが分かった。

どーしよ、ゾム君来ちゃう。鬱さんの案を借りるか。不本意だけど。

私は、ケチャップを手に取り、『Eat me』と書いた。私のことだと勘違いされないように、隣にうさぎさんを書いた。これでよし！

丁度よく、家のチャイムが鳴った。ロックを解除し、招き入れると、ゾム君の目が輝く。

「ええ香り！」

「オムライス作ったんだ〜」

じゃーん、と机の上を見せると、ゾム君が舌なめずりする。なんだろう。嫌な予感。

振り返ったゾム君の目は、獣の目をしていて、ギラギラと鋭く光っている。

「これは、そういう意味やんな」

「どういう意味？」

「Aを食ってええんやろ」

「いや、オムライス……」

「そんなに抱かれたかったんや。食い終わってから、楽しもうな」

「いや、オムライス」

「いっただきます！」

どっちにしろ食べられる運命だったのかもしれない。美味い美味いと食べてくれるゾム君に微笑むと、ゾム君は目に手を当てて天を仰ぎ出した。

「俺の彼女がバリ可愛ええ」

「ゾム君もカッコイイよ」

本心を漏らすと、ゾム君はスプーンを置いて、私を呼んだ。近づくと、抱き締められて、膝の上に乗せられる。

「可愛ええなぁ……A。好きやで」

「っみ、耳元で……喋らないで」

耳介周辺を舐めながらゾム君はわざと色っぽく喋る。

「っぞ、む」

「……唆るわ」

勿論、美味しく頂かれました。

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