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風呂を出たあと、寝室に行くのが怖かった。拒絶されたくない。
しかし、行かないといけない。恐る恐る寝室の扉を開けると、さっきよりも小さい服を着たAが、ちょこんと布団の上に座っとった。
「A」
「なーに？」
いつものように聞くA。何故、普通にしていられるのだろう。いきなり男に襲われたのだ。怒っていいのに。軽蔑してくれていいのに。
「ホンマにごめんな。1発殴ってもええんやで」
「なんで？酔ってただけでしょ？それに、気が使えなかった私も悪いし。ごめんね」
ソっと俺の頬に綺麗な手が添えられる。白くて綺麗な手は、スルスルと頭の方へ登っていき、子猫を甘やかすような優しい手つきで撫でてくる。
「ゾム君。今度は、バイキング行かない？私たちなら元取れると思うんだ」
パッと手を離したAは、俺に携帯の画面を見せる。そこには、90分食べ放題の広告が。
「ええの？」
「勿論。着いてきてくれる？1人だと周りの目が嫌でさ。ゾム君となら、安心して、好きなもの好きなだけ食べられるもん」
「そっか」
自分でも驚く程優しい声が出た。抱き締めたい。可愛い。愛おしい。好き。たった1秒で色んな感情が溢れてきた。
「おやすみ、ゾム君」
「おやすみ」
先程のことなどなかったかのようにように振る舞うA。この無防備さはどこから来ているのだろうか。
でも、安心した。
Aから少し離れたところにあるベッドに寝転がって、目を閉じる。Aはもう寝てしまったらしく、スースーと寝息が聞こえる。
可愛ええなぁ。ホンマに。
「ん…」
朝か。眩しいな。
顔を顰めて目を擦った俺は、Aを起こすためにベッドを降りた。Aの寝顔は、天使を彷彿とさせた。
こんなに気持ちよく寝とったら、起こしにくいやんけ。
「A」
軽く体を揺すると、おはようございます、と掠れた声でAが言った。
「っははは」
「なんで笑うの!?」
寝起きの声が面白くて、笑い声をあげると、Aは飛び起きてムッと口を尖らせた。ああ、可愛い。
その後、身支度と帰り支度を済ませたA。
「A。バイキングいつ行く？」
玄関に立つAに聞くと、Aは少し意地悪な笑みを浮かべて言った。
「1週間後」
「その日って……」
「っふふ、知ってるの？嬉しい」
「分かった。絶対開ける。じゃあ、気をつけて」
「うん、バイバイ」
パタンと扉が閉まり、一気に孤独感が押し寄せる。
1週間後、Aの誕生日。楽しみや。
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ただの一般人。 - 今までにない展開がたくさんあって、とても面白かったです！！好きすぎて、何回も読み返しては感動。を繰り返しています。完結が惜しいですが、幸せになってくれたのでOKです！ (11月25日 22時) (
レス) @page49 id: adc31b39f1 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - めっちゃ泣いたンゴ…！！天才ですね！ (7月25日 15時) (レス) @page31 id: 2a8bacdc50 (このIDを非表示/違反報告)
ねお(プロフ) - とてつもなくしゅき…尊すぎて言葉が出ないﾝｺﾞｫｫｫ！ところでご報告なのですが、テラーでこの尊い尊い作品に似たものがございまして…。もしかしたらひよこの子様のパクリなのでは？と思いコメントさせて頂きました。ご確認の程よろしくお願いいたします (7月21日 17時) (レス) id: c2f9d03b74 (このIDを非表示/違反報告)
ここなつぁ。 - めっちゃ好きです…！夢主ちゃんと、zmさんの愛らしい恋物語が描かれていて、なんだかほっこりしました、笑。これからも頑張ってください！ (2023年4月16日 22時) (レス) @page50 id: d72a0ee724 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆのこ(プロフ) - この作品好きすぎて何度も読み返してます。3は超えました。これからも読み返します。本編のネックレスを探すとこもご飯食べているとこも好きなんですが番外編の子供たちは本当にお気に入りです。子供たちに脅威さんのむっつりなところが遺伝してないことを願ってます。 (2023年1月6日 0時) (レス) @page50 id: 803f58ab86 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこの子
| 作者ホームページ：
作成日時：2021年9月2日 18時
