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「A!!なんで来たん!?寝てろって!」
「お客さん、ですか」
「お前らのせいで起きてもうたやん。帰れ」
「へぇ、コネシマさんの女っすか。随分大事にしてるんですね」
「はぇ〜、女を大事にするコネシマさんなんか生きとるうちに見れるんやな」
「コネさん、不祥事だけはやめてな?お前が主演の映画、俺も出とるし」
随分と容赦の無いお客さん達だ。コネシマさんは私に近寄ると、おでこに手を当てる。
「まだ熱い。寝てろ。お前ら先に上がってリビングで待ってろ。あんま騒ぐなよ?Aが寝るんやから」
「いつも一番やかましいくせになんやねん」
階段を上がるコネシマさんに私は問う。
「さっきの方は」
「同業者。一番ちっこいのがロボロ。一番でっかいのがチーノ。死んだ目しとるのがショッピ」
端的な説明で分かりやすい。私を優しくベッドに下ろしたコネシマさんは、私に水を飲ませてくれたあと、ギュッと抱き締める。
「頼むから、休んでくれ。お前が倒れとった時、ホンマに肝が冷えてん。もうあんなんならんで欲しいから」
「すみません」
「謝らんでええ」
優しく微笑み、コネシマさんは部屋を出て行った。パタンとと扉が閉まると、孤独感が押し寄せる。もうすっかり目は覚めてしまった。ベッドの上でゴロゴロしながら、眠気が来るのを待っていると、下から大きな笑い声が聞こえて来た。コネシマさんの笑い声だとすぐわかる。
彼の声が聞こえると、心が安らぐ。ああ、本当に好きになってしまったんだな。バレないようにしなきゃ。私の本心がバレたらきっと、追い出されてしまうから。コネシマさんは私で遊んでいるに違いない。
優しくして甘やかして、いつ私が出て行くのか、楽しみにしているんだ。彼の優しさは、娯楽の為に過ぎない。
悲しいなぁ。
ため息をつくと同時に寝返りを打つと、人影が目に入った。
「ひっ」
「静かに」
この人は確か、ショッピさんと言っただろうか。私の口を手で覆ったショッピさんはしゃがdで私を目線を合わせてくれる。
「驚かせてすみません。体調は大丈夫ですか?」
コクコクと頷くと、ショッピさんは手を離してくれた。
「ショッピって言います。コネシマさんとは同じ事務所の先輩と後輩っていう関係で、まぁ色々世話になってます」
「あの、それで私に何か用ですか?」
「ああ、えっと単刀直入に言いますね。コネシマさんと付き合ってるのであれば、別れてください。付き合ってないなら、早く出て行ってください」
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まっくろしろすけ - 最初にマグロって出てきて「わ!マグロや!」ってなりました!(なんでマグロでわー!ってなってるのかわかるひとには分かると思う!)この小説好きです! (8月5日 0時) (レス) @page15 id: 017cec3e53 (このIDを非表示/違反報告)
ピッピ168号 - あえ?完結しちゃった…。いや、喜ばしいことなんだけども!好きな小説が終わっちゃうと少し寂しいですね…。次回作も期待してます! (7月23日 15時) (レス) @page43 id: bae95beb1a (このIDを非表示/違反報告)
ピッピ168号 - ??????????????神かな????????????あ、神だったわ。…周回しよ……。 (5月15日 23時) (レス) id: bae95beb1a (このIDを非表示/違反報告)
ピッピ168号 - ふふふふふふふふふふふふふふふ嫉妬する夢主ちゃん可愛い(´∀`*)ウフフ動けない…?あっ…(察し)二人共お幸せに〜楽しめよ〜 (4月27日 22時) (レス) @page42 id: bae95beb1a (このIDを非表示/違反報告)
しょしょ - kn夫婦てぇてぇ… あの女子高生分かりみが深すぎるんじゃぁ〜 (2023年4月14日 22時) (レス) @page41 id: 275501d424 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひよこの子 | 作者ホームページ:
作成日時:2023年3月25日 14時