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葬儀が執り行われた。葬儀は村の全員が参加することになっているため、68名が参加した。それも爺ちゃん婆ちゃんばっかで、「シャオロンももうそんな時期か」「ようやったわ」なんて優しく声を掛けてくれるもんやから嬉しくて涙が出そうになったわ。あ、出ては無いねんで?
女、A一家はどうしてか困惑の色を見せていたが、まァさすがに来て2日は早かったか。さて、早速一緒に帰るとしよう。
「なァA。一緒に帰ろうや、この村2人の若いもん同士で話したい事もあるし」
Aの少し引き攣ったようなその笑顔は何か化物を見るようで、ちょっと傷ついた。なんかおかしなことしたんか?
「ア、ァうん、うん、か帰ろう!」
少し挙動に疑問を抱きつつも安心させようとニコり笑ってみせたが、特に効果はなかった。うーん…仲良くならんとまずいんやけどなァ…頑張らな
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帰ると言ってもただ一本道を進むだけではある。目的は着くまでに交わされる言葉と信頼関係を築く事だ。
「あのさ、俺ー」
「し、知ってるわ!貴方が彼を殺したの!見たもの私、この目でしっかりと、見たの!村の人は知らないようだけど、で?何?私と二人きりになって私まで殺そうって言うの?や、辞めてよ、お願いだから!!貴方が殺したことは誰にも言わないから!」
随分と息を荒くして必死の訴えをするAの言っている事が全く分からない。何故隠す必要があるんだ?何故Aを殺す必要があるんだ?だって俺はAと二人になるためにやったんやし、それは栄誉ある事なんに…はぁ、ほんま都会の人間の考える事はわからへんわァ。とりあえず説得するか。
「あの〜何を勘違いしてるかわからへんねんけど、」
「ッやめて!!これ以上近付かないで!人殺し!」
俺が一歩近づくとそれ以上に下がって、焦った結果ズザリと音を立てながら地べたに転んでしまっていた。
刹那、勢いよく蝉が飛び込んで来て俺とAの間にボトリと死に落ちた。
「ぁ」
ほら、蝉さんも俺らお似合いやァ言うとるわ。もうほんま嬉しええ!!此れが、恋って言うもんなんやなァ…最高に気持ちがいい!
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作者名:ひよこの子 x他8人 | 作者ホームページ:
作成日時:2022年8月6日 18時