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その日の晩。Aはグルッペンの部屋へ向かった。ゾムも探したのだが、どこにも姿が見当たらなかった。巡回なのだろう、そう考えてAは一人で来た。
「グルちゃん。入るよー」
「ああ」
「……変わんないね、部屋」
「変える必要も時間も無い」
グルッペンの部屋は5年前に入った時と全く変わっていなかった。アンティーク調の家具に、壁を覆い尽くす本棚。キングサイズのベッドがあっても十分広い部屋。グルッペンは、ベッドに座ったまま隣を叩く。座れ、ということらしい。
「グルちゃん小柄だし、キングサイズとか大きすぎるんじゃない？」
まるで挑発するようにAが言うと、グルッペンはクスッと笑ってAを見る。
「知ってて言うとるやろ」
「私しか知らないグルちゃんの秘密だね」
珍しく顔を赤くしたグルッペンは、ずるいぞ。と呟く。
「“キング”って言葉に惹かれて買ったら、思った以上に大きかったんだもんね。本当5歳児で笑える」
「男は何歳になっても子供や」
「っふふ。……で、何があったの」
Aの纏う雰囲気が変わった。あのグルッペンでさえも言葉に詰まるほどの威圧感。そして冷酷な目。
「全く、お前に隠し事は出来んな。……ゾムが、謹慎中の兵士3人を殺した」
「それって！！」
「ああ。昼間Aを襲ったヤツらだな。どこから聞きつけたんだか。今はトン氏が事情を聞いとる」
「聞かなくても分かりそうだけどね」
せやな、低い声が響く。すると当然グルッペンはAの肌に触れた。驚くAは抵抗せずに固まる。スルッと首筋を撫でたグルッペンは、空いた手で腰周りを摩る。
「ぅ、……くび、やだ、」
「……これで理性を保てるゾム先生に俺は敬意を表したい」
「何いって、っ、ほんとに、だめ」
下唇を噛んで時折肩を跳ねさせる。Aを触る手を下ろしたグルッペンは、Aの頭を撫でる。
「怖いか？」
「……あれ、そういえば」
「なら多分、他の奴らも大丈夫やろ。問題は、気の知れた友人ではない一般兵達やな」
Aは改めてグルッペンの凄さをその身で感じ取った。まさか医者でもないのに一瞬で克服させるなんて。
「ありがとう、グルちゃん」
「すまんな、勝手に体触って」
「っはは、紳士すぎ。……グルちゃん。今回の戦争、死者の想定は？」
「エミさん曰く、そこそこ多い」
「そっか」
「お前のせいやない」
「……行きたいよ、私も」
「悪いが、俺もゾムと同意見や。行かせられへん。その状態やとな」
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けんまおし1016(プロフ) - もうこの作品もまじで最高でした!!!!他の作品もみるのはもちろんお気に入り登録もしときました!もう最高でした!!もう言葉にならないです!!!!! (2022年12月11日 9時) (
レス) @page50 id: 92260459e9 (このIDを非表示/違反報告)
一条なつき(プロフ) - めちゃくちゃ良かったですひたすら鼻水ズルズル涙ドバドバで読ませて頂きました！！ (2022年10月7日 2時) (レス) @page45 id: 10435debae (このIDを非表示/違反報告)
黒輝 雷音⚡ - 途中emさんが舌打ちしながらカーテン閉めるのでめっちゃ爆笑しちゃいました！(笑)めっちゃ面白い作品でした！ (2022年9月26日 2時) (レス) @page45 id: a7e2765b25 (このIDを非表示/違反報告)
這い寄る脅威(プロフ) - ピくんーーーーー！！！www (2022年8月29日 0時) (レス) @page49 id: 0893c6b06a (このIDを非表示/違反報告)
コム＠スランプなう(プロフ) - 夢主可愛い…zmさんッ！僕にもその子貸しt)))←おまわりさーんこいつでーす 番外編ちょくちょくかいてくれるの嬉しいです😊 (2022年8月28日 13時) (レス) @page49 id: 0ee0aa5caa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこの子
| 作者ホームページ：
作成日時：2022年8月1日 20時
