33 ページ33
着替えをしていたAは、白衣を半分着たところで気づく。今日から1週間、これは着る必要が無いのだと。複雑な気持ちで白衣を吊るしたAは、白のブラウスにジーンズという格好で部屋を出た。
「あ」
「ロボロ。おはよう」
「おはよ。……その、俺は大丈夫やから」
「……？ああ！私も。ごめんね、気ぃ遣わせちゃって」
ニコリと笑ったAを見て、ロボロは安心する。
「白衣着てへんし、いつもと違う格好しとるだけで雰囲気変わるな」
「そう？いつもは白衣に軍服だもんねー。……似合わない？」
「似合っとる。……ゾムからの視線が痛いから、行くわ」
「っふふ。頑張ってね」
訓練場に行ったはずのゾムは、Aの事が気になって戻ってきたらしい。影からAとロボロの様子を伺って嫉妬していた。
「……することないなぁ。裏庭、行くか。……いや、トントンへのお礼が先だ！」
トントンは仕事で東棟4階にあるトントンの執務室に居るだろう。幹部棟からは少し遠いが、今日は運んでくれる人は居なさそうなので渋々歩き出す。
東棟に入って、階段を登っていると踊り場で一般兵とぶつかった。3人ほどで固まっていたため、Aは尻もちをつく羽目になった。
「あっ!!Aさん……。すみません」
「大丈夫っすか？」
「っ!!」
男3人に囲まれているという事実がAの恐怖を掻き立てる。怯えるAの姿は、兵士3人の欲を増幅させる。普段幹部という立ち位置で、て手の届かない存在が、自分たちに怯えている。それだけで十分興奮できる。
「Aさん……本当に今、男がダメなんですね」
「……な、に？やめて、近づかないで、お願い」
「何されたんですか？やっぱりこんな事されたりしました？」
ニヤニヤと下卑た笑みを浮かべながら、3人は好き勝手にAの体を触る。ブラウスのボタンを外そうとするが、上手く外れずに苛立って破り捨てる。
「やっぱデケェ……」
「やだぁ……!!!もう、やめて……」
ポタポタのAが泣き出すが、逆効果だった。それを見て更にヒートアップする。下着に手をかけられて、もうダメだと目を瞑った瞬間、男3人が壁にめり込んだ。
「あーあ、壊れてもうた。グルさんに怒られてまうな」
「トント……？っ、」
「これ、俺ので悪いけど。見ぃひんから。着な」
自分の軍服をAに被せると、背を向ける。Aは震える手で着替えてボタンを閉める。
「怖いとこ見せてごめんな。怪我は？」
「ない。その、ありがとう」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1453人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
けんまおし1016(プロフ) - もうこの作品もまじで最高でした!!!!他の作品もみるのはもちろんお気に入り登録もしときました!もう最高でした!!もう言葉にならないです!!!!! (2022年12月11日 9時) (
レス) @page50 id: 92260459e9 (このIDを非表示/違反報告)
一条なつき(プロフ) - めちゃくちゃ良かったですひたすら鼻水ズルズル涙ドバドバで読ませて頂きました！！ (2022年10月7日 2時) (レス) @page45 id: 10435debae (このIDを非表示/違反報告)
黒輝 雷音⚡ - 途中emさんが舌打ちしながらカーテン閉めるのでめっちゃ爆笑しちゃいました！(笑)めっちゃ面白い作品でした！ (2022年9月26日 2時) (レス) @page45 id: a7e2765b25 (このIDを非表示/違反報告)
這い寄る脅威(プロフ) - ピくんーーーーー！！！www (2022年8月29日 0時) (レス) @page49 id: 0893c6b06a (このIDを非表示/違反報告)
コム＠スランプなう(プロフ) - 夢主可愛い…zmさんッ！僕にもその子貸しt)))←おまわりさーんこいつでーす 番外編ちょくちょくかいてくれるの嬉しいです😊 (2022年8月28日 13時) (レス) @page49 id: 0ee0aa5caa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひよこの子
| 作者ホームページ：
作成日時：2022年8月1日 20時
