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「スパイが判明した」
そう、グルッペンの連絡が入り、幹部は総統室に集まった。グルッペンの隣には、ロボロがパソコンを持って立っていた。
「……正直、俺は受け入れたくない」
「そんなの、皆一緒ですよ」
Aの言葉に、皆は頷く。ロボロは、目を細めてグルッペンの方を見た。
「分かっている。……今から、お前らに犯人と、犯行映像を見せる」
「俺な、この映像見た時間違いかと思ってん。でも、そういえばそうやったな。ってすぐ分かった」
「じゃあ、答え合わせと行こうじゃないか」
グルッペンが言うと、トントンが待て。と止めた。それを見た幹部は、まさかコイツが……!?と訝しげにトントンを見る。
「この件は、Aが任されてたとちゃうんか!?」
「Aが犯人を見つけるより先に、俺らが見つけただけだ」
そう言うと、グルッペンはロボロに再生するように言った。
ロボロはパソコンを開き、皆に見せた。映像は、重要書類保管場所である、総統室の奥の、更に奥の部屋。盗まれた後、他のも盗りに来るだろうと考えたロボロは、カメラを設置した。
しかし、犯人は、既に書類を持っていた。書類を、元あった場所に戻すと、サッサと部屋を出て行ってしまった。
それで映像は途切れた。
「これだけですか」
「うん」
「じゃあ、」
「……コイツ、戻したん?」
ゾムが聞くと、グルッペンは頷いた。
「ああ。確認したら、1個も改ざんされず、そのまんまの形で戻されていた。多分、コピーしたんだろう」
なるほど、と納得した皆は、ロボロの方を向いた。
「俺は、めちゃくちゃ頑張った。ほんの一瞬だけ、顔が写ってん。」
「おお!!」
「その一瞬を見逃さず、止めて拡大し、画質を最大限良くした。すると、犯人の顔がバッチリ分かってん」
その、犯人の顔を皆に見せると、部屋に沈黙が流れた。
「え…………A?」
あの、エーミールでさえ、目を見開いている。
Aは、ため息をつき、ニヤリと笑った。
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蒼 - ページ40の話の上から11行目(文字が開いて行数で書かせていただいております)zm様の言葉が、「分かった!!行ってくる!! という表記になっております。細かくて申し訳ないです。ごめんなさい。 (8月24日 3時) (レス) @page40 id: 7197a413b4 (このIDを非表示/違反報告)
瑞稀(プロフ) - え……え????いや、これは訳ありパターン…続編も楽しみにしてます! (2021年3月30日 17時) (レス) id: 503fd2a4ac (このIDを非表示/違反報告)
BAND(プロフ) - え、夜ダメとか可愛いかよ((( (2021年3月30日 14時) (レス) id: 89d985a64d (このIDを非表示/違反報告)
琴葉(プロフ) - コメント失礼します!64がなにもない状態で公開されちゃってます!あれ?私が見えてないだけでしょうか…間違いでしたらごめんなさい。 (2021年3月27日 17時) (レス) id: 0c3a2b2511 (このIDを非表示/違反報告)
小茶丸 - 続編おめでとうございます!続きが楽しみだぁ! (2021年3月23日 23時) (レス) id: dd1575ae33 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひよこの子 | 作者ホームページ:
作成日時:2021年3月22日 18時