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「……どないすんねん。トントン」
唸るようにコネシマが言った。トントンは、グルッペンに連絡を繋げ、現状報告をする。グルッペンは、少し考えた後に、答えを出した。
「……Aの錠を外せ。A……聞こえているか？」
「ええ、聞こえてますよ。グルッペン・フューラー」
「逃げ出したら、そこに居る猛獣たちが、お前を咬み殺すぞ」
「それは恐ろしいので大人しくしておきますね」
ピッと通信が切られると、チーノがAの拘束を解いた。立ち上がって、伸びをしたAは、ゴキゴキと首を鳴らした。
「久しぶりに立ちました。……顔色が悪いですね。見た感じ、貧血のようですが」
「大先生、平気なん？」
「溶血性貧血などで無ければ。彼、数日の間になにか大量の血を流しました？」
思い当たることがあるのか、ショッピが気まずそうに口を開く。
「先週の大規模テロの手当に言った時、美人の女に騙されて、腹刺されてましたね」
「あったな」
「あったわ」
「大先生……」
憐れみや、呆れた目で見下ろされる鬱先生。
「とりあえず、医務室かどっかに運んでください。この国にはやぶ医者が多いようですね」
トントンとコネシマに医務室へ運ばれた鬱先生は、Aによって適切な処置を施され、意識を取り戻した。照れたように起き上がる鬱先生の脳天をひっぱたいたコネシマは、ベッドに座った。
「お手柄やな。A」
「どうも。……じゃあ」
Aは、スっとトントンに両手を差し出した。困惑する皆。
「Aちゃん？」
「何しとるん？」
「え？役目は果たしましたので。再び拘束しなくてもいいんですか？」
Aがニヤニヤと笑いながら聞く。うっ、と言葉を詰まらせた皆は、チラッとAの手を見る。
長時間の拘束で、赤く腫れ上がった手首が痛々しい。足首も酷いだろう。
鬱先生を助けて貰って、こんな傷を見せられたら、中々拘束しにくい。そう、これがAの狙いだ。
「賢いな……」
やられたとばかりにトントンが頭の裏を掻く。鬱先生に関しては、僕の部屋泊まる？と口説き始めている。
「……グルさんに聞いてからな」
目元を解したトントンが言う。どこか仲間意識を感じたのか、Aがトントンに笑いかけた。
「苦労人ですね。わかります。目元を見れば」
「……お前も大変やったらしいやん」
厄介な上司を持ったもの同士、頷いている。
「A。とりあえず、戻ろか」
人の心など無いコネシマは、無情にもAに手錠をかけた。
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はちみつ(プロフ) - 1章お疲れ様でした！2章も頑張ってください！ (2021年8月11日 17時) (
レス) id: 3af09653e7 (このIDを非表示/違反報告)
りの(プロフ) - ひよこの子さん！まずは1章お疲れ様でした(; ;)やっぱり前作といい今作といい伏線かな...？と思われる描写がいくつかあり2章、3章がめっちゃ楽しみになりました！毎日ほんとに大量更新ありがとうございます...毎日の楽しみです...！体調に気をつけて頑張ってください！ (2021年8月11日 1時) (レス) id: d2abe96452 (このIDを非表示/違反報告)
狗 - ひよこの子さん、こんにちは。普段は作品にコメントとかしないのですが、面白すぎてしてしまいました。ひよこの子さんの作品は、伏線の回収などが丁寧で、見ていてとても楽しいです。お体に気をつけて更新頑張ってください。応援してます！長文すみません！ (2021年8月9日 20時) (レス) id: 3a2d3af60d (このIDを非表示/違反報告)
黄山まる(プロフ) - めぇぇぇぇっちゃゃゃゃ面白いです！！！！！！好きです！作ってくださりありがとうございます！！！ (2021年8月9日 16時) (レス) id: ecd777805d (このIDを非表示/違反報告)
黒月 - どこがで見たことのある作者様や〜と思ったらほとんどの作品読ませていただいてました今の今まで気づかず申し訳ありません()どの作品も大好きですスッゴく面白いです作ってくれてありがとうございます!!! (2021年8月8日 23時) (レス) id: d980d1e7aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこの子
| 作者ホームページ：
作成日時：2021年8月4日 19時
