第14話 ページ17
私はアクトに乗って助言者が示した生存者の1人の元へ向かう。
「爺!大丈夫か!」
「A、生きておったか!」
「私は大丈夫だ。爺の方こそ、その怪我…!」
「儂も老いたのう。この程度も突破出来んとは。」
「いや、数だけは多いんだ。仕方ないさ。」
私は急いで身代と自己再生で爺の怪我を治す。
「すまんな、助かったわい。」
「問題ないよ。今はとりあえず、」
「ここにおるオーク共を何とかするのが先じゃな。」
爺とは小さい頃からずっと一緒に手合わせしてきた。だから動き方も、得意技も、くせも全部知ってる。これ程共闘しやすい相手は居ない。
いくら数が多いとはいえ、オークは2人になった私たちの敵ではなかった。
爺に残りの生存者の位置と、若も姫様が行動している旨を伝え、そっちに助太刀に向かってもらう。
「Aは大丈夫なのだな?」
「もちろん。豚共に引けは取らないさ。」
「無茶するでないぞ。」
「爺もな。」
そう言って別れる。
大丈夫、爺は強い。その事は私がよくよく知ってる。
そう自分に言い聞かせ、残りの生存者の所へ向かう。
「くそっ、ここまでか…。」
「何諦めてんだ!馬鹿!」
「っ!A!」
蒼の背後に迫っていたオークの斧を日本刀で受け止め、叫ぶ。
「諦めるなよ!まだオーガは滅んでない!」
「…そうだな、すまない…!」
「若も姫様も爺も生きてる!とにかく今は生き残ることだけ考えろ!」
絶対に死なせない。もう失いたくはない。
「へっ、女が一人増えたところで何も変わらねぇよ!」
「相手の技量も見極めれんような小物が。黙っていろ。」
「てめぇ、なんだと!」
オークが斧を振り上げる。しかし、
「なんだ、これ!体が動かねぇ!」
「鋼糸だよ。まさか私が何も仕掛けていないとでも思っていたのか?」
「くそっ、」
「あまり暴れない方がいい。その糸、よく切れるから。まぁ、どの道殺すが。」
私は手元にあった糸を引き、オークの首を落とす。
「なっ、」
周りのオーク共はそれを見ても動じない。気味が悪いな…。
「次は貴様らの番だ。里の恨み、受けて貰うぞ。
蒼、動けるか?」
「当然、この程度問題ない。」
「よし、切り抜けてみんなに合流しようか。」
私は糸と刀で切り刻み、アクトがオーク共を灰にし、蒼が背後から不意を突く。
あっという間に周囲のオークはもれなく動かなくなった。
「若たちに合流しよう。」
助言者に位置を表示してもらい、向かう。
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ミィ - 16話なんですが、戦いを先に仕掛けた(?)のは、オーガの方だと思います。アニメを見れば、若(紅丸)が『はやとちりをしてしまった。』『許してくれ(セリフ全く違うけど意訳的な)』って言ってたから仕掛けたのはオーガだと思います。私もアニメを見て (11月15日 16時) (レス) @page19 id: cc284cb664 (このIDを非表示/違反報告)
紅白の巫女 - めっちゃ続いてるんだ…すごい。まだ途中だけど恋愛要素あるんですか? (11月9日 13時) (レス) @page8 id: ecef28fcbd (このIDを非表示/違反報告)
おもろー - 38話の上から4行めが、リザードマンではなくリザードンになっています。おもしろーー!!ー!ー (11月8日 21時) (レス) @page42 id: e900712ad7 (このIDを非表示/違反報告)
ウニャ - 守護者は(マモルモノ)ですか? (2022年7月8日 18時) (レス) @page4 id: cef953226b (このIDを非表示/違反報告)
ウニャ - 助言者は(タスケルモノ)ですか? わからないんです、教えてください! (2022年7月8日 18時) (レス) @page2 id: cef953226b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぬこ | 作成日時:2021年8月30日 22時