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遡ること一週間前。
元気のない伊野尾君を心配して訳を聞けば、
「薮とキスしているところを光に見られた」と、悲しそうに言った。
悲しそうにしていたのは、光君にそれで嫌われたと思ったからで、
俺以外とキスして悪かったと思っているからなわけではなかった。
そもそも、付き合っているわけではなかったし、
伊野尾君の一番が俺ではないこともわかっていた。
けど…。
光君と仲直りできて、チューもできて。
伊野尾君の幸せそうな顔にどう反応していいのかわからず、
思わず背を向けるように寝返りをした。
はぁ〜。光君。
そっちに転んだかぁ。
てっきり、薮君かと…。
いや。何もわからないうちに、
伊野尾君の手の内に落ちたっていうのが正しいのかな。
携帯を見るのをやめたのだろうか。
伊野尾君が俺の上にまたがってきた。
「ん??」
「高木、妬いてんの??」
ちゅってキスを落とされ、
見上げた顔は楽しそうに微笑んでいる。
「…妬いてないよ。」
本当は、妬いている。
っというより呆れている。
薮君も、光君も。
何でも手にしたがる伊野尾君に。
「なんだ〜。つまんないの。」
そう言って、むぅっと、子供みたいに唇を尖らせた。
「なんか、有岡君みたいだね。可愛い。」
今朝、見た有岡君の唇を尖らせた顔と伊野尾君の顔がダブってしまって、
思わず、その顔を見ながら微笑んだ。
俺の言葉に、じと〜っと睨みをきかせて更に唇を尖らす。
「ん??なに??」
「俺と一緒にいんのに、大ちゃんの事、可愛いって言うなんて…。」
そう言って、俺を跨いだまんま、首元に顔を埋めた。
「えっ!?妬いてんの??」
「…。高木の一番は俺でしょ??」
頭をグリグリと動かすもんだから擽ったい。
伊野尾君は強欲だ。
薮君も、光君も欲しくて、
挙句に俺も欲しいだなんて。
「俺のこと、ほっといて携帯見てたくせに。」
「だって、なんか、大ちゃんが今日中に言いたいことあるってメールくれたから。」
その言葉に、反応して、首元でグリグリしていた頭を両手で抑えて、
自分の顔に向き合うようにした。
「まさか…。」
「ふぇ??」
「有岡君とも!?」
「へ??違うよ!!大ちゃんとは、まだだよ!!」
『まだ』って…。
どこまで強欲なんだ。
薮君にとっても光君にとっても一番で、
挙句に有岡君と俺の一番でもありたいだなんて。
呆れてため息をつけば、
また、落ちてくる柔らかい唇。
”ちゅっ”て。
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みるみるみるきー(プロフ) - なんか、いい関係だわねー。男同士…うんうん。いやしの笑顔のタカキもよいです。 (2019年8月19日 11時) (レス) id: a47283bf22 (このIDを非表示/違反報告)
ひびた。(プロフ) - ゆみさん» いつも読んでくださりありがとうございますm(_ _)m先ほど、メッセージの方に送付させていただきました。届いていない場合はお手数ですがこちらでお知らせいただければと思います☆よろしくお願いいたします* (2019年8月19日 1時) (レス) id: 5a12b48840 (このIDを非表示/違反報告)
ゆみ(プロフ) - すみません(>_<)パスワードではなく、パスヒントを教えて下さいですね!また、ひびた。さんのプロフィール欄に気付かず『ボード』にもメッセージを残してしまいました。すみません(>_<)よろしくお願いいたします。 (2019年8月12日 10時) (レス) id: 58cd24687a (このIDを非表示/違反報告)
ゆみ(プロフ) - ×-dame完結おめでとうございます。楽しく読ませていただきました!過去作品『たんぺん歌集』が大好きで再読したいのでパスワードを教えて頂けないでしょうか?Twitterをしていないのでよろしくお願いいたします。楽しく (2019年8月12日 10時) (レス) id: 58cd24687a (このIDを非表示/違反報告)
ひびた。(プロフ) - こはるさん» コメントありがとうございますm(_ _)mメッセージにて、パスヒント送付いたしました☆前に送付したものと同じです(^ ^)メッセージが万が一見れない場合は、ご連絡ください☆ (2019年8月1日 0時) (レス) id: 5a12b48840 (このIDを非表示/違反報告)
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