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マグ。
童顔の好青年。
若いけど優秀な整備士。
自分専用の飛行機を空軍は使うんでしょうか(無知にも程がある)
＊＊
「……如何？」
やや不安気なAに、少し機体の診察をしていたマグは一つ頷いて、
「見た目こそ盛大にイッてますけど、致命傷は無さげです。少々お時間頂きますが、直りますよ」
と、にこやかに言った。
「本当？」あからさまに顔の明るくなるAに、「此の事で、僕は嘘なんて吐きません」と、マグはやや頬を膨れさせる。
「未だ、
「だろうね」
Aは神妙に頷いた。その辺りの事には非常に明るいAであるから、或る程度の事は自分で判断を付けてしまうのである。
抑も、マグ自体非常に優秀な整備士で、腕前は一、二を争う程だ。若いと言う事は実力が低いと言う事に必ずしも結びつかない。そのマグが『直せない』と言う事は、もう、『そう言う事』だ。
「……何で、なんだろうね」
Aは慈しむように、自らの飛行機の機体をそっと撫でた。
「私らから『翼』を奪うのが、そんなに楽しいのかね。……」
伏せられたAの表情は沈痛だった。その声に、
その伏せられた睫の辺りを見ながら、「クラウディア元帥」とマグは気遣わし気に名を呼ぶ。
「空をこそ、心から好きでいるのに。……こんな、」
泣いて居ないのが不思議な程の声で、言う。聴いて居る人間の方が、その感情に中てられて涙を零しそうになる程、普段の余裕あるAは何処にも居ない。
「
＿＿其処まで言ってからAは何かに気付いた様に、歔欷に似た独白の様なその言葉を止め、揺れる目で中空の何かを凝視した。
そうして、顔を伏せ直した。
「……変な事を言って、御免ね。忘れてくれないか」
目の合わないAをマグはやや思わしげにじっと見ていたが、「他言なんて、絶対に」と静かでありながら強く言った。
「外の道具を取って来ます」
「ああ、頼んだよ」
「お任せ下さい、必ず」と、安請負ではないのかと思う程軽く言う。
然しマグの言葉は、非常に頼もしい。
.
.
＿＿その外、その壁にひとらんらんは凭れ掛り、腕を組んで居た。
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遥彼方 - 。負け犬団長さん» コメント有難うございます！その辺りは本当に書いていて楽しかったので、そう言って頂けて感涙です。是非ゆっくりと楽しんでらして下さい〜 (2020年3月2日 1時) (
レス) id: b1e6400f22 (このIDを非表示/違反報告)
。負け犬団長(プロフ) - 主ちゃんの怒ったシーンの描写が普段穏やかな主ちゃんとのギャップ？で読んでいてとでもドキドキしました！それと主ちゃんの怒りがひと段落したところでの主ちゃんの空への思いが文章からあふれていてとてもきれいです！ (2020年3月1日 22時) (レス) id: 10fa209271 (このIDを非表示/違反報告)
遥彼方 - 瑠奈さん» コメント有難うございます！前作では大変お世話になりました。勿体無い程のご評価に舞い踊る程の喜びを感じております。此方こそ有難うございます！先は長いですが、楽しんで頂ければ幸いです。 (2019年12月7日 16時) (レス) id: b1e6400f22 (このIDを非表示/違反報告)
瑠奈 - 蒼から来ました〜前作も感動し、今作の面白さ、読みやすさに感激している今日この頃です。ありがとうございます (2019年12月7日 14時) (レス) id: 8b40ad9508 (このIDを非表示/違反報告)
遥彼方 - 桜舞姫・蝶月姫さん» 有難うございます！続編移行に注力します……少し（？）お待ちくださいませ……！ (2019年12月7日 1時) (レス) id: b1e6400f22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：遥彼方 | 作成日時：2019年11月13日 0時
