見えない愛 (ページ4)

今日:1 hit、昨日:5 hit、合計:59,225 hit

4 ページ4

丸山said

ヤスと大倉があまりにも遅いねん。
俺らだけやったらええねんけど
スタッフさん達もずっと待っとってくれてるから
さすがにイライラしてくる。
集合時間から1時間くらいたった時
村上くんの電話がなった。
話している信ちゃんがどんどん切羽詰っていく。
ヨコと目を合わせながらなんかあったなと、
無言で確認した。

信ちゃんが静かに
絶望したような顔をして電話を切った。

裕｢ヒナ、どしたん？｣
横山くんが聞いて帰ってきた答えは
想像を超えていた。

マネージャーが来てくれて
病院に行ったけど、行く途中、誰も喋らんかった。
正直俺はいまいち状況が掴めてない。

病院に着くと、
ベンチでヤスが声を上げて泣いていた。

信｢ヤス、怖かったな。｣

章｢信ちゃん…大倉っ大倉がぁ｣

信｢1回落ち着いて、な？｣

章｢うん……大倉がな、やばいかもしれん。｣

裕｢どーゆーことや？｣

章｢脳に腫瘍が出来てて

それが目の神経を圧迫してるから

目が見えなくなったったいう

可能性が高いんやって。

その場合、目が見えるようになる確率は

正直あんま高ないんやってﾋｯｸ

で、腰は折れてるだろうって。

最悪の場合、脊髄やっとったらもう歩けへん。

なぁ、なんで大倉なん？

大倉いつも頑張っとるやんか。

なんで？なんで大倉なん？僕だけじゃダメだったの？

辛いのは、僕だけでいい。

大倉まで辛い必要は無いねん。信ちゃん…｣

信｢教えてくれてありがとうな。

辛かったな。

ヤス、考えてみぃよ。

大倉やぞ。あの、大倉や。

大丈夫に決まっとるやろ。大倉信じたれ。

それに、もし何かあったなら、

俺らが支えたればええねん。

大倉はひとりじゃないねんから。｣

裕｢ヤス、ヒナの言った通りや。

大倉を信じることが大事や。

で、しっかり支えたろな。｣

章｢うん。｣

俺はこの時も全然喋れなかった。
村上くんと横山くんがすごい人だと改めて思ったのと同時に、自分の情けなさに腹が立った。