【進撃の巨人】ただ、そばにいたいだけなのに…【ジャン】 (ページ6)

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4.言葉ページ6

ガッシャァァァン!!!!

物凄い音がしたと同時に
俺は急いで振り返ると…

「痛っ……」

さっきまでAが食っていた食べ物とその食器が散乱し、
A自身も床に倒れ込んでいた。

水がまだコップの中に残っていたらしく
Aの綺麗な黒髪から滴り落ちていた。

すぐにでも近寄って怪我をしていないか
見てやりたかった…

けど今は

完全に俺が原因だった。

その場に立ち尽くすことしかできない俺。

Aはマルコに支えられながらも
上半身を起こすことができた。

その時、Aに大きな怪我が無かったことはわかった。

そして、ただただ安心した。

Aのことはマルコに任せようと思い
またアイツに背中を向けた。

.

＿＿＿待って。

「…っ」

そう聞こえたのは空耳じゃなかった。

後ろを向くとAは泣いていた。

行かないで、行かないで、と。

…けれど、

.

「……なんでお前みたいな幼馴染みを持っちまったんだろうな…

どうせなら、

.

.

＿＿＿ミカサみたいなヤツが良かったよ。」

.

.

それは、どういう意味で言ったのか、
俺にもよくわからない。

ただ、

本当に俺と一緒にいても良いのか、と

子供の頃から不安そうに聞いてきた

Aにとって

今の言葉は

何よりも、他のどんな言葉よりも

.

.

アイツの心に深い傷を負わせるモノだったのには

変わりなかっただろう。

そして俺は、

Aが一番、辛く悲しいと感じる言葉、

昔からわかってた、アイツの一番傷つく言葉を

―――自ら選択してしまった。