【進撃の巨人】ただ、そばにいたいだけなのに…【ジャン】 (ページ12)

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10.五年ぶりページ12

「超大型巨人が現れたぞ！！！」

「また壁が壊されたらしい！！！」

「そんな…っ！まただ…！！

また人類は食い尽くされる！！！」

「オイ！すぐに配置に付け！！

超大型が現れた場合の作戦は既に始まってるぞ！！！」

お昼少し前。

門の方向から見たこともない光が見えた。
次の瞬間、大きな揺れと音が聞こえた。

五年前のことを知らない俺でも
これがいったい何なのかはわかった。

でも、信じられない…

噂に聞いただけの巨人が
あの50メートルの壁を壊して入ってくる…!!

訓練通りの配置に向かおうとしたときだった。

.

「固定砲整備の班で怪我人が出たらしい！」

「あぁ、それに巨人と接触したやつもいたらしい」

…ちょっと待て、

固定砲整備って…

.

『今日は壁上固定砲の整備だから

何かあったら来てね』

.

「A!!」

俺の頭の中にはあの時のAの顔が浮かんだ。

あの時の…笑顔が…。

あの時言った“最後”という言葉が…。

もしかして…

俺の足は自然と壁の方へ向かっていた。

けれど、

「訓練兵！！貴様を何している！！

今すぐ訓練通りの配置に付け！！！」

後ろから肩をがっしりと掴んできた駐屯兵の先輩に止められた。

「離してください！仲間が！！
俺の大切なやつがまだ壁の近くにいるかもしれないんです！！助けねぇと！！！」

俺はその駐屯兵に必死に訴えた。

こんなに切羽詰まった状態で言ったのに

「今はその一人のために動くことは許されない！
今すぐ配置に付いて大勢の街の人間を避難させろ！！」

「っ!!そんな…！

……わかりました。」

.

(大丈夫だ、アイツなら大丈夫だ。

Aなら、心配いらない。

きっとかすり傷ひとつしてねぇ。

いつもと同じように戻ってくる…！)