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「……つまり、本当の名前を言われると、老師父様も操られるかもしれないということですか？」
「ほっほっほ。呑みこみが早いのう！」
流石、大鵬殿の惚れた女子じゃ！ と上機嫌な老師父様。
「その通りじゃ！ 自然に近しい儂らは、本当の名……『真名』を知られれば、その者に操られることが往々にしてあるのじゃ」
「それゆえ、わらわ達は『真名』の他に呼び名を持っておる。大鵬殿の名も、老師父殿の名も、わらわの朱姫という名も、「呼び名」であって『真名』ではない」
朱姫様が付け足した。
老師父様はにこにこと、何度も頷く。
「そうじゃ。儂らは元から『真名』と、それとは別に「呼び名」をもつのじゃ」
「そうですか」
私は納得して頷いた。
けれど。すぐに、……あれ？ と違和感を覚えた。
(……え、でも……)
神様方はそうなのかもしれない。
だけど。
私は人間だ。
大鵬は私に呼び名をくれた。それはたぶん、他の人間なら持ってるはずのものなのだろう。
でも。
『真名』はもってないはず。
神様方のように、言葉で互いを操つる力はないはずだ。
だって、私は老師父様のようにはできない。
「しかし、私は人間です。神様方のように何かを操ることもできませんし、操られることも……」
操られることもないはず……そう言いかけた私に、老師父様がこっくりと頷く。
「ほっほっほ。そうじゃのう」
「はい。それにもし『真名』で操られるなら、逆に『真名』は授けて頂かないほうがいいのではないでしょうか？」
「はっはっは！」
今度は朱姫様が笑いだした。
「そうじゃのう！ 確かに！！ のう？ ……大鵬殿？」
意地悪そうに大鵬に微笑む。
大鵬が溜息を吐く気配がした。
「確かに普通の人間には必要のないものだ。だが……」
大鵬がまた、私を天井に向かって掲げる。
「我の花嫁であるならばべつだ！」
「別……？」
いい加減、たかいたかいの格好にも慣れてきたので、私は冷静に大鵬を見降ろした。
「そうだ。普段は我らも花嫁殿のことは「呼び名」……Aと呼ぶ」
「うん」
「だが、我の花嫁はただの人間ではないであろう？」
「……神通力のこと？」
翁が教えてくれたことを思い出す。
大鵬様の花嫁は、『神通力』をもつ娘でなくてはなれない。
そして、『神通力』をもつ娘は希少だと。
私自身、それが何なのかよく分からないけれど。……翁が、私には稀に見る『神通力』が備わっている、ずっとそう言っていた。
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一花(プロフ) - Nonさん» （続）しかし、物語にのめり込める……そう仰っていただけ嬉しいです。ありがとうございます。国語力は……常に平均レベルでした（汗） 夢想力は多少あるかもしれません（笑） Nonさんこそ、とても誉め上手です。沢山、嬉しい言葉をくださり、ありがとうございます！ (2014年8月30日 23時) (
レス) id: efaaeba1ca (このIDを非表示/違反報告)
一花(プロフ) - Nonさん» ありがとうございます。後編もなるべく楽しんでいただけるよう、精進いたしますね。少し間が空きますが、公開時は宜しくお願い申し上げます！ それから、文章……お褒め頂き有ありがとうございます。力があるかは私自身は判断を読者様に委ねるしかできません（続く） (2014年8月30日 23時) (レス) id: efaaeba1ca (このIDを非表示/違反報告)
一花(プロフ) - 光珂.さん» ありがとうございます！ ボード、確認いたしました。本当にありがとうございます！ レスさせていただきましたので、またご覧下さると幸いです。本当にありがとうございます！ (2014年8月30日 23時) (レス) id: efaaeba1ca (このIDを非表示/違反報告)
Non - どうも、またNonです。後編すごく楽しみにしてます！一花様はほんと文章力が凄くあると思います。国語とかは得意なほうでしょうか？凄く物語にのめり込めるので大好きです！あと、誉めるのもとても上手いですよね！ (2014年8月26日 6時) (レス) id: 240a63bd27 (このIDを非表示/違反報告)
光珂.(プロフ) - こんにちは。 前編完結、おめでとうございます！ 誤字脱字のチェックをしたのですが、諸事情でボードの方に書かせて頂きました。 お時間のある時に確認お願い致します。 (2014年8月25日 16時) (レス) id: 21af548d66 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：一花 | 作成日時：2014年7月22日 22時
