冴 ページ45
結局、あれから眠れたのはほんの数時間だけだった。
だけど、それでも十分な気がした。
アラームを止めて、ベッドから降り、スマホと制服と下着を持って風呂場に向かった。
脱衣所に入る前に、洗面台に映った私の髪が私の目を強引に奪う。
毛先しか白くなかった私の髪が、胸辺りまで白かった。
これは、ダメだと思った。
無造作に伸びきった髪は腰辺りまで伸びていた。
その長い髪が、あの数時間で肩甲骨まで白くなった。
こんなに白いと流石に誰でも目につく。
目立つのは良くない。
私はそう思い、髪を切ろうと思った。
気が迷う前に、ハサミを手に取り、ぱっつんにならないように注意しながら切る。
正直、ロングが好きだから、胸あたりで切るのをやめた。
少しだけ、毛先が白いくらいになった。
手で握っている髪をゴミ箱に捨て、私は脱衣所に入り、お風呂に入る。
身体中の痣が目に入るが、気にしないで体や頭を洗う。
20分ほどでお風呂から出て、１０分で髪を乾かす。
スマホで時間を確認すると、学校に行く時起きる時間くらいだった。
良い感じに時間管理ができていて自分でも少し驚く。
私は歯ブラシと歯磨き粉を手に取り歯を磨く。
ある程度磨いた時、ゆっくりと階段を降りてくる音が聞こえる。
研磨だな、と直感的に思った。
「あ…A、おは…」
と研磨は私を見るなり固まる。
だけどすぐに、
「切ったんだ。
あ…あと、今日無理しちゃダメだよ。」
私はうがいをして、
「うん。ありがとう。」
と研磨に返した。
私は研磨に洗面台を譲り、コンタクトを入れたり、学校に持っていく荷物を取りに行こうと思い二階に上がる。
今日は、一人で行こう。
階段でふと、そう思った。
そうすればクロは「何かあったのか」と推測してクラスに来る可能性がある。
そして、クラスの人たちが何か大ごとをする時は基本昼休み。
学校についてから、昼休み空いてるかと連絡を入れればこっちのもんだ。
クロからの返事が返って来ても、私からは返事を返さない。
そうすればきっと、さらに心配をして確実に昼休みに来る。
今日の私は冴えている気がする。
ただ、クラスの人が何をするか、それにもよる。
それだけを気にして、私は家を出て学校に向かった。
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違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あ - 内容がすごいわかりやすいです。続き待ってます (2020年5月7日 22時) (
レス) id: 2b1a6cecc8 (このIDを非表示/違反報告)
hitoesasami(プロフ) - kajjjenさん» 読んで頂き本当に感謝です…！！それに面白いなんて言って頂けて嬉しいです…！！応援、ありがとうございます、更新頑張ります！！ (2020年4月6日 17時) (レス) id: 41b3c0e585 (このIDを非表示/違反報告)
hitoesasami(プロフ) - 清川さん» 全然わかりやすいっすよ…！！そしてな、なんと！！？？そんな…嬉しすぎます…！！頑張ります！！本当にありがとうございます！！嬉しすぎて…(´；ω；｀) (2020年4月6日 17時) (レス) id: 41b3c0e585 (このIDを非表示/違反報告)
kajjjen - コメント失礼します！初めてこの作品を読ませてもらいましたが本当に面白いです！応援してます(^^) (2020年4月6日 9時) (レス) id: 6e12a7e235 (このIDを非表示/違反報告)
清川 - hitoesasamiさん» 俺、文作るの下手だから、伝わってよかった^^ログイン出来てないからお気に登録できないけど、ログインしてたら絶対お気に登録してた。しかも俺の中で☆100くらいついてるw頑張れ (2020年4月1日 20時) (レス) id: bdf93be9d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：hitoesasami | 作成日時：2020年3月26日 3時
