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荷物 ページ30

「…あー…うー…あー…うう…」


私は突っ伏したまま、唸る様に声を出す。


「どうしたの。」

「……そんな気分なだけ。」

「2時間ずっとそれやってるけれど…。」

「そうなんだ…。」


そう言われても私は「あー」と「うー」を言い続けた。
そんな気分だから。

なんてことしたのかな、とかなり憂鬱だ。


あー…なんでいじめっ子に負けるのかな…。


「…研磨みたいに、無理しないで過ごしたい…。」

「俺が何…?」


と、後ろから声がした。びっくりして立ち上がる。
後ろに研磨がいた。


「え…いつから居たの?」

「え、まさか気が付いてなかったの?」


と保健の先生に言われる。
気がつかなかった。


「無理、しなきゃいいじゃん…。」

「できたらしてない。」

「あとこれ…。」


研磨が持っていたのは私の荷物だった。
ありがとう、と言って私はそれを受け取る。


「…この荷物、Aのクラスの人がクロに渡したあと、渡してきた…。」


クラスの人が、と最初思った。
でもすぐに多分、タイプって言った人だと予想ができた。


「そうなんだ。」

「…それでクロ、その人に連れられてどっか行っちゃって困ったから居そうなところ来てみた…。」


研磨がこんな広い校舎を歩いて1人でここまで来た…?


「研磨…成長したね…。」


と、私は少し涙ぐむ。
研磨は「何?」って顔をしている。


「…何でもない。それより部活は?」

「ある…。行ってくる。」

「がんば。」

「うん。」


失礼しました、と小さい声で言って研磨は保健室を出た。


「にしても似てるね〜。」

「…顔だけ。」

「話し方も、猫背加減も、実はやる気が全くない所も全部似てるよ。
ただ、2人分に分けられるはずの頑張る意識をAが全部取ったって感じなんじゃない?」

「…そうかも。わかんないけれど…。」

「クロは黒尾君かな?」


とパソコンに顔を向けたまま先生は聞いてきた。
別に悪気はないのだろうが、なんか心に刺さった気がする。


「…幼馴染。でも4日くらい前に何ヶ月かぶりに会った。」

「そっか。不登校の間、会わなかったんだ。」

「…うん。」

「それでもああやって気にかけてくれるんだね。」

「私はクロにとって研磨と同じだから。」


そう言って私はリュックを背負う。


「帰る?」

「うん。部活始まったくらいに帰れば誰とも会わないから。」

「気をつけるんだよ。」

「うん。」


私は先生に挨拶をして保健室を出た。

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- 内容がすごいわかりやすいです。続き待ってます (5月7日 22時) (レス) id: 2b1a6cecc8 (このIDを非表示/違反報告)
hitoesasami(プロフ) - kajjjenさん» 読んで頂き本当に感謝です…!!それに面白いなんて言って頂けて嬉しいです…!!応援、ありがとうございます、更新頑張ります!!  (4月6日 17時) (レス) id: 41b3c0e585 (このIDを非表示/違反報告)
hitoesasami(プロフ) - 清川さん» 全然わかりやすいっすよ…!!そしてな、なんと!!??そんな…嬉しすぎます…!!頑張ります!!本当にありがとうございます!!嬉しすぎて…(´;ω;`) (4月6日 17時) (レス) id: 41b3c0e585 (このIDを非表示/違反報告)
kajjjen - コメント失礼します!初めてこの作品を読ませてもらいましたが本当に面白いです!応援してます(^^) (4月6日 9時) (レス) id: 6e12a7e235 (このIDを非表示/違反報告)
清川 - hitoesasamiさん» 俺、文作るの下手だから、伝わってよかった^^ログイン出来てないからお気に登録できないけど、ログインしてたら絶対お気に登録してた。しかも俺の中で☆100くらいついてるw頑張れ (4月1日 20時) (レス) id: bdf93be9d6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:hitoesasami | 作成日時:2020年3月26日 3時

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