熊に狙われる子猫 ページ29
「…失礼します。」
私は保健室に入る。
「お、また来たな不登校…何された？」
「…なんかかけられた。」
と口を尖らせて言う。
先生はうーん、と唸る。
「…催涙スプレー…とか？
そろそろ担任に言おうか？」
「…それはやだ。」
「どうして？」
「…嫌だから。」
そう言って、椅子に座り机に突っ伏す。
「寝るならベッドね。」
「…寝ない。」
「わかった。」
しん、とした空気が保健室を包む。
その中に、パソコンのタイピングの音が響く。
タッタッタ、と廊下を走る音が聞こえた。
どきっと、心臓が跳ねた。
誰が来るかわからないけどクロだったら嫌だって思った。
勢いよく、椅子から立ち上がりベッドに走った。
「避難する…。」
「わかった。」
カーテンを広げなくても枕辺りがカーテンの影になる場所に寝る。
布団に入って、出来るだけ布団が盛り上がらない様に平らになろうとうつ伏せに寝る。
ガラッと、扉が開く。
「A…黒髪のツインテールの奴、来てませんか？」
来たのはクロだった。
私は身体が震えそうになる。ここで動いたらバレると思い、身体に力を込めた。
こりゃあ…うっかり熊の目の前を歩いちゃった子猫だ。
ひいっ、て感じで木の影に逃げ隠れ、息を潜めるそんな子猫。
「来てないよ。どうしたの？」
「いや、なんでもないっす。」
失礼しました、と保健室の扉が閉まる音がした。
しばらく、キーボードを叩く音が響く。
パチン、とエンターキーを押す音がした。
「もういないよ。」
「…誰が？」
「3年の黒尾君。」
「そっか。」
変にしつこく追及されることはないだろうけれど、触れられるのも嫌だから、当たり障りのない返事をする。
興味がないように振る舞えば、何も聞かれないだろうから。
「ふむ…まあ、気が済むまで休んでいきなさい。」
「…ありがとう。」
と言いながら、ベッドから降りる。
そして、また机に突っ伏した。
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あ - 内容がすごいわかりやすいです。続き待ってます (2020年5月7日 22時) (
レス) id: 2b1a6cecc8 (このIDを非表示/違反報告)
hitoesasami(プロフ) - kajjjenさん» 読んで頂き本当に感謝です…！！それに面白いなんて言って頂けて嬉しいです…！！応援、ありがとうございます、更新頑張ります！！ (2020年4月6日 17時) (レス) id: 41b3c0e585 (このIDを非表示/違反報告)
hitoesasami(プロフ) - 清川さん» 全然わかりやすいっすよ…！！そしてな、なんと！！？？そんな…嬉しすぎます…！！頑張ります！！本当にありがとうございます！！嬉しすぎて…(´；ω；｀) (2020年4月6日 17時) (レス) id: 41b3c0e585 (このIDを非表示/違反報告)
kajjjen - コメント失礼します！初めてこの作品を読ませてもらいましたが本当に面白いです！応援してます(^^) (2020年4月6日 9時) (レス) id: 6e12a7e235 (このIDを非表示/違反報告)
清川 - hitoesasamiさん» 俺、文作るの下手だから、伝わってよかった^^ログイン出来てないからお気に登録できないけど、ログインしてたら絶対お気に登録してた。しかも俺の中で☆100くらいついてるw頑張れ (2020年4月1日 20時) (レス) id: bdf93be9d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：hitoesasami | 作成日時：2020年3月26日 3時
