代償 ページ14
それから、部活終わりまで私は体育館の隅っこに座っていた。
灰色頭のすっごい大きくて、鞭みたいに手足を使う人いるな…いいな…なんて思いながら。
ただ、その相手に対して研磨は明らかにイライラしていた。
多分、打点とかバラバラだけど監督とかからよろしく頼まれてるのだろう。
研磨も大変だ。
「こっそり自主練だからそろそろ切り上げるぞー」
と、クロが指示を出した。
こっそりしてた自主練ということを今更知った。
だから人が集まらなかったのか、と納得する。
数分でもコートに立った身だから私も片付けを手伝った。
よっこらせ、とポールを引き抜き倉庫目指して歩く。
こんな重かったっけ、とは感じるが持てない重さではなかった。
「Aちゃん、ポ、ポ、ポール。」
と、トラさんが口を尖らせて私が持ってたポールを持とうとする。
「な、なんでそんな緊張してるんですか…？」
「い、いや、そそんなこと。」
超絶緊張してる。この人。
だって、そんなこと、って言いながらポール持って倉庫に走って行ったもん。
…変な人。
そんなこと思いながら、次は黙々とボールを運び続ける。
「なあ、研磨。」
「何？」
「たまに思うんだけどよ、Aはなんであんなに元気なんだ？」
「…今日、本当に担いで帰る？」
「おう。」
「それなら分かると思う。」
「研磨ー、クロー、先に外にいるねー。」
と、私は何か重い雰囲気で話す2人にそう言う。
クロが片手を上げ、研磨がこっちを向いたことを確認して私は外に出た。
校舎も校庭も誰もいなかった。
そのことがわかった瞬間、私を押し潰す勢いで疲れがでる。いや明るく頑張る代償が、の方がいいのかもしれない。
でも、こんなところで止まったらクロとか他の人に見られる。
何故かわからないけれど、他人に弱いところを見せると捨てられる気がしてならない。
だから、多分人と関わるのが苦手なのかもしれないなんて思う。
弱いところを見せたり、相手の願いに気に食わないことをしてしまうと、相手の目が一瞬で変わる。
その目が怖かった。
だけど、この疲れは異常だった。
息ができないくらい。
いつもは、我慢するのに今日は耐えられそうになかった。
私は、校門にある『音駒高校』と書かれた板の柱に縋り付くように寄りかかり、蹲る。
苦しかった。
でも、みんなが来る前に立て直さないと。
冬じゃないのに、その時吸う息はとても冷たかった。
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あ - 内容がすごいわかりやすいです。続き待ってます (2020年5月7日 22時) (
レス) id: 2b1a6cecc8 (このIDを非表示/違反報告)
hitoesasami(プロフ) - kajjjenさん» 読んで頂き本当に感謝です…！！それに面白いなんて言って頂けて嬉しいです…！！応援、ありがとうございます、更新頑張ります！！ (2020年4月6日 17時) (レス) id: 41b3c0e585 (このIDを非表示/違反報告)
hitoesasami(プロフ) - 清川さん» 全然わかりやすいっすよ…！！そしてな、なんと！！？？そんな…嬉しすぎます…！！頑張ります！！本当にありがとうございます！！嬉しすぎて…(´；ω；｀) (2020年4月6日 17時) (レス) id: 41b3c0e585 (このIDを非表示/違反報告)
kajjjen - コメント失礼します！初めてこの作品を読ませてもらいましたが本当に面白いです！応援してます(^^) (2020年4月6日 9時) (レス) id: 6e12a7e235 (このIDを非表示/違反報告)
清川 - hitoesasamiさん» 俺、文作るの下手だから、伝わってよかった^^ログイン出来てないからお気に登録できないけど、ログインしてたら絶対お気に登録してた。しかも俺の中で☆100くらいついてるw頑張れ (2020年4月1日 20時) (レス) id: bdf93be9d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：hitoesasami | 作成日時：2020年3月26日 3時
